2026年2月を迎え、暦の上では春が近づいていますが、依然として厳しい寒さが続いています。 この時期は確定申告の準備や新年度の予算立てなど、お金について考える機会が増える季節です。

特に物価の上昇が家計に影響を及ぼす中、効率的な資産形成の手法として、新NISAへの注目が改めて高まっています。2024年の制度改正から2年が経過し、運用の成果を実感し始めている方がいる一方で、まだ最初の一歩を踏み出せていない方も少なくありません。

将来のゆとりある生活を確保するためには、制度の仕組みを正しく理解し、自身のライフプランに合わせた活用を検討することが不可欠です。

本記事では、新NISAの基本的なメリットや特徴について整理したうえで、具体的な運用シミュレーションを通じて、将来の資産形成のイメージを具体化していきます。 これからの時代を生き抜くための蓄えとして、どのように制度を活用すべきか、一緒に確認していきましょう。

1. 【2026年から貯蓄上手に】新NISAにはどんな「メリット」がある?

NISAは、国民の資産づくりを支援する仕組みとして2014年にスタートした制度です。

その後、制度内容が見直され、2024年からは「新NISA」として新たな形で利用できるようになりました。

この制度の大きな特長は、投資から生じた利益が課税対象にならない点にあります。

通常の投資では、株式の売却益や配当金に対しておよそ20%の税負担が発生しますが、NISA口座を通じた取引であれば税金はかからず、利益をそのまま受け取ることが可能です。

新NISA「非課税」のしくみ1/2

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

もっとも、NISAは自由に無制限で投資できる制度ではなく、投資枠の金額や購入できる商品には一定の条件が設けられています。

そのため、利用を検討する際は、あらかじめ仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

1.1 「新NISA」を始めるなら知っておきたい主な特徴6つ

「新NISA」における代表的な特徴は、以下の6つに整理できます。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/2

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと、多額の資金が必要だと感じる方も多いかもしれません。

ただし、実際には500円や1000円程度から始められる商品も数多く存在します。

NISAを利用すれば、投資信託や株式を少額で購入できるため、投資経験がない方でも始めやすい制度といえるでしょう。

次章では、毎月コツコツと積み立てを行った場合、将来的にどの程度の資産形成が見込めるのかについて、シミュレーション結果をもとに確認していきます。

2. 【利回り別】50歳から65歳まで「毎月5万円」を積み立てた場合の投資シミュレーション

本章では、NISAを利用して積立投資を続けた場合、将来どのくらいの資産を築けるのかを具体的に試算します。

一定の条件を設定したうえで、想定する利回りを1%〜5%まで段階的に変えながら、シミュレーション結果を確認していきます。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

2.1 【試算結果】「毎月5万円」×15年×「年1~5%」で積立投資

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

毎月5万円の積立を15年間続けた場合、最終的な資産額は1000万円を上回る水準に達する可能性があります。

元本は合計で900万円となりますが、運用状況次第では、そこに約70万円から多い場合で400万円超の収益が加わることも想定されます。

一方で、投資は常にリスクも伴います。

高い利回りを期待できる商品ほど価格変動の幅も大きくなるため、こうしたリスクを十分に理解したうえで、無理のない範囲で活用していく姿勢が重要といえるでしょう。

3. 【積立金額別】15年間で2000万円を目指すための毎月の積立額シミュレーション

老後に向けて準備すべき資金額は人それぞれですが、ここでは一つの目安として2000万円を目標に設定します。

50歳から65歳までの15年間という期間を前提に、この金額を達成するためには、毎月いくら積立投資を行う必要があるのかを試算していきます。

3.1 【試算結果】「15年間」×3%で積立投資

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションの結果、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てれば2000万円を上回る資産を形成できる見込みとなります。

もっとも、毎月9万円の積立は家計への影響が小さくありません。

また、利回りは確定したものではないため、運用結果次第では目標額に届かない可能性も考えられます。

このような背景から、老後資金の準備はできるだけ早い段階から取り組むことが重要だといえます。

たとえば、30歳から65歳までの35年間をかけて、同じく年利3%で積み立てを行う場合、毎月の積立額は2万6971円程度まで抑えられます。

このように、長い運用期間を確保することで、月々の負担を軽くしつつ、将来に向けた資産形成を進めやすくなるでしょう。

4. 預貯金だけでは資産価値が目減りしてしまうかも…

今回は「新NISA」について、利回り別のシミュレーションを交えながら確認してきました。

最近では、長引くインフレ対策や将来の資産形成のため、NISAなど少額積立投資をスタートする人が増えてきています。

新たに2026年度を迎えたため、投資先の見直しや成長投資枠を含めた活用方法を再度確認してみましょう。

また、必ず覚えておきたい事は、NISAは「必ず増えるものではない」ということ。

一般的に長期投資をしていれば問題ないといわれますが、ご自身がお金を使いたいときに損失が出てしまう可能性はあります。

どんな時にどの資産を使うのかを計画的に考えたうえで、投資金額は決定していくと安心ですね。

参考資料