この記事の読みどころ
海外投資家は2015年10 月に続き11月も日本株現物を買い越しています。
信託銀行は8月から10月まで買い越し姿勢を強めましたが、11月は売り越しに転じました。
12月は海外投資家の多くがクリスマス休暇に入るため、売買金額も落ち着く可能性があります。焦点は1月の海外投資家の投資スタンスになります。
海外投資家は10月に続き11月も日本株の現物を買い越した
日本取引所グループの月次データによると、海外投資家の日本株現物の売買は、2015年6月以降4カ月連続で売り越しでしたが、10月に約4,630億円の買い越しに転じ、11月も約6,777億円の買い越しでした。
金額も11月の方が大きいことから、海外投資家に徐々に買い安心感が広がっている様子が伺えます。11月の株式市場がじり高の展開だった要因の1つと思われます。ただし、第4週は買い越し額が小幅になってきています。
信託銀行は一転売り越しに
信託銀行は8月から10月までの株価の下落局面で累計約1.3兆円買い越しました。しかし、11月には約4,500億円の売り越しに転じています(より正確には10月第4週から11月第3週まで)。信託銀行は、逆張りスタンス(株価が下がれば買い、上がれば売る)が続いています。
なお、個人については日本郵政グループの株式上場による利益確定が11月のデータに反映されていると考えられ、トレンドを読み取るのは難しいですが、買い付け金額だけの推移を見ると、それほど活況とは言えないというのが筆者の見立てです。
12月はクリスマス期。焦点は1月の海外投資家動向に
12月は米欧の金融政策の方向感が決まり、海外投資家の多くがクリスマス休暇に入ります。このため12月は比較的落ち着いた相場になる傾向があります。
従って、新年1月の海外投資家動向が株価の大きなトレンドを見るカギになります。ここのところ中小型株に投資妙味があるという意見を耳にします。物色の動向にも注目したいところです。
LIMO編集部