マイナンバー、届きましたか?

マイナンバーの運用が、いよいよ2016年1月から始まります。10月末から、住民票がある市区町村から郵送での番号通知が始まりました。皆さんのご自宅にも届きましたか?

送られてきた封書には、個人番号が記載された「通知カード」と、「個人番号カード交付申請書兼電子証明書発行申請書」が入っています。個人番号カードの申請・取得は強制ではなく任意ですが、運転免許証やパスポートのように本人確認の身分証明書として活用できます。

また、あまり普及はしませんでしたが、住民基本台帳カード(2015年12月末に廃止予定)と同様に、個人カードを利用してコンビニなどで住民票などの各種証明書を取得することが可能になります。

「マイナンバーカード」の申請には写真撮影が必要

現時点で、どれだけの国民がマイナンバーの個人番号カードを申請しているかは明らかではありませんが、強制ではないため、様子見を決め込んでいる人も多いのではないかと思われます。筆者もその1人ですが、その理由は写真撮影が必要なので、いささか面倒だからです。

個人カード取得のためには、自分または写真屋さんで撮った顔写真を交付申請書に張り付けて郵送する、あるいは、スマホで撮った写真を申請者専用ウェブサイトで登録するなどの方法がありますが、いずれにせよ手間がかかります。

また、個人番号カードの有効期間は、20歳以上の成人の場合10年(20歳未満の方は5年)と長く、一度カードを作ってしまうと紛失した場合を除き再発行はできない、最初の取得は無料だが再取得の場合は有料となる、などの点を考慮すると、申請には慎重にならざるを得ません。

筆者以外でも、個人番号カードを申請するのなら少しはまともな写真を使いたいと考えている人は意外に多いのではないでしょうか。

大日本印刷の証明写真機「Ki-Re-i」が興味深い

こうした観点で興味深いのが、今年10月に大日本印刷(7912)が発表した証明写真機「Ki-Re-i」です。

使い方は簡単で、交付申請書に記載されている2次元コードを所定のスキャナーで読み取らせ、その後は音声ガイダンスに従い申請IDを入力、撮影等を行えば、暗号化されたデータが地方公共団体情報システム機構のサーバーへ送信され、個人番号カードの申請は完了します。

Ki-Re-iは、“優れた撮影技術と最適な照明により、手軽に高画質の証明写真が撮れる”とされているため、撮影に不慣れな人の写真よりは、その名の通り“キレイ”に取れる可能性が高そうです。

大日本印刷では、社員証や会員証などのIDカードに顔写真をプリントして発行するシステムを開発しており、この機能を駅やショッピングセンターなどに設置されている同社の証明用写真機に順次追加し、サービスを拡大する模様です(対応機は、2016年1月までに1,000台、3月までに累計1,500台に増設していく計画)。

なお、大日本印刷では、証明写真機「Ki-Re-i」に加え、マイナンバー関連の企業向けサービスとして、従業員や顧客などのマイナンバー収集業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)サービス、運用コンサルティング、教育サービス、プロモーション支援、セキュリティシステムの提供なども計画しており、積極的にマイナンバー制度を事業機会として取り込もうとしています。

今後の注目点

「マイナンバー関連」というテーマは、既に株式市場ではかなり話題になりましたが、今後マイナンバーカードの利用が官公庁だけではなく民間でも広がり、多くの人が活用するようになった場合には、改めて注目される可能性もあります。このため、今後のサービスの広がりの動向を注意深く見守っていきたいと考えます。

参考:大日本印刷の過去2年間の株価推移

LIMO編集部