2025年も終わりに近づき、来年の生活設計を考える時期になりました。

特に、年金が主な収入源となるシニア世代にとって、将来の生活費や貯蓄は大きな関心事ではないでしょうか。

年金は2カ月に一度支給されますが、その額は現役時代の働き方によって大きく変わります。

そのため、早い段階から自身の年金について理解し、計画的に備えることが重要です。

近年では60歳代でも働き続ける方が増え、70歳代から本格的なリタイア生活を迎えるケースも珍しくありません。

この記事では、「おひとりさま」のシニアライフに焦点を当て、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」の調査データをもとに《70歳代の平均貯蓄額・中央値》や、貯蓄額別の割合についてわかりやすく解説します。

また、65歳以上・単身無職世帯の生活費や年金月額の平均も、公的なデータをもとにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 高齢者の生活費、平均は月いくら?

まずは、65歳以上で退職された単身世帯の1ヶ月あたりの生活費はどのくらいなのでしょうか。

総務省統計局が公表している「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に見ていきましょう。

1.1 65歳以上・単身無職世帯のリアルな家計収支

月の平均実収入:13万4116円

内訳を見ると、社会保障給付(主に年金)が12万1629円を占めています。

月の平均支出:16万1933円

支出の内訳は、生活費などの「消費支出」が14万9286円、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2647円です。

  • 食費:4万2085円
  • 住居費:1万2693円
  • 光熱・水道費:1万4490円
  • 家具・家事用品費:6596円
  • 衣類・履物費:3385円
  • 保健医療費:8640円
  • 交通・通信費:1万4935円
  • 教育費:15円
  • 教養・娯楽費:1万5492円
  • その他の支出:3万956円
    • うち諸雑費:1万3409円
    • うち交際費:1万6460円
    • うち仕送り金:1059円

また、非消費支出の内訳は以下の通りです。

  • 税金:6585円
  • 社会保険料:6001円

毎月の収支結果

  • 毎月2万7817円の赤字

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、単身世帯の1カ月の実収入13万4116円に対して、支出の合計は16万1933円となり、結果として毎月2万7817円が不足している状況です。

この赤字分は、これまでの貯蓄を取り崩して補うことになります。

また、住居費が約1万3000円と低めに算出されているため、持ち家でない場合はさらに支出が増える可能性も考慮する必要があるでしょう。