年末年始は、全国各地の人が帰省や旅行などで家を開けることが多くなる季節です。留守を狙った空き巣や強盗が増えることが予想され、大切な財産を盗まれないように防犯意識を高める必要があります。

そこで、今回は「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」について、政府広報オンラインに記載されている情報を基に詳しく説明します。

なお、記事では2024年の消費者トラブルによる被害額についても紹介。どんな金銭トラブルが起きているのかも確認して下さい。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。

1. 犯罪者はどうやって家に侵入してくるのか? 防犯対策の方法も解説

家を留守にすることが多くなる年末年始を狙って、空き巣や強盗犯が活発になる季節です。近年では、犯罪の手口が凶悪化していることで、強盗から命を奪われる事件もあります。

一般住宅を狙った侵入犯罪ですが、ここ最近では住人の在宅の有無にかかわらず複数人で窓などを破壊して住宅に押し入るケースも増えています。また、宅配業者や点検業者を装うなどの方法で、住宅に押し入るなど凶悪化が止まりません。

一方で、空き巣など「住宅を対象とした侵入窃盗」は平成16年(2004年)以降減少しています。しかし、凶器などで住人を脅す「住宅を対象とした侵入強盗」は、平成17年(2005年)以降に減少が続いていたものの、令和4年(2022年)から増加傾向です。

まず、「侵入窃盗」ですが、侵入者は警察庁が公表している「侵入窃盗の侵入口」(令和6年(2024年))のデータでは、一戸建て住宅やマンションなどの共同住宅では、いずれも「窓」と「表出入口」からの侵入が全体の7割以上を占めています。

さらに、いずれの形態の住宅でも、空き巣を始めとした侵入窃盗は鍵の掛かっていない箇所から侵入していることが分かります。

玄関などの鍵を掛けないままゴミ出しや買い物を行うなど、少しの油断を犯罪者は狙っています。必ず施錠する習慣を身に付けることが重要です。

次に多いのが「ガラス破り」による被害です。この場合、施錠しても侵入されてしまうので、家を不在にする際は雨戸などを閉める、窓に補助錠を取り付ける、窓ガラスの全面に防犯フィルムを貼るなどの対策をしましょう。

また、4階建て以上の共同住宅では「合い鍵」の侵入も多くなります。合い鍵を玄関の周囲や郵便受けなどに隠している人は注意が必要で、保管の方法を改める必要があります。

2. 犯罪者はどうやって家に入る? 侵入方法について細かく解説

ここからは、犯罪者の具体的な侵入方法について細かく解説します。

オーソドックスな「ガラス破り」は、窓ガラスを破壊し割れた箇所から手を入れて解錠する方法です。対策としては、防犯フィルムを窓ガラスの全面に貼ることが効果的となります。

「ドア錠こじ破り」は、バールなどの工具をドアと壁の隙間に入れ、てこの原理で強引にドア錠を壊して開ける手口。「ピッキング」は、ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、鍵のかわりにしてドアをあけてしまうやり方です。

さらに「サムターン回し」は、ドアにドリルを使って穴を開けるなどして、鍵を室内側から施錠・解錠するためにつけられたつまみであるサムターンを外から操作する手口です。これらが、代表的なドアや窓を犯罪者が開ける方法となります。

これらの巧妙な手口を使う犯罪者から、財産や家族を守る方法をここからは紹介します。

警察庁が推奨する侵入犯罪に対する自主防犯行動は以下のとおりです。

在宅・帰宅時の行動として重要なポイントです。

  • 在宅時でも、出入口や無人の部屋の窓に鍵を掛ける習慣をつけること。
  • 訪問者に対しては、不用意にドアを開ける前に、まずドアスコープやインターホン越しなどで確認すること。
  • 外出先から帰宅した際は、背後や周囲に人がいないか、よく確認すること。

さらに、住宅の防犯対策は以下となります。

  • 日頃から建物周囲を整理整頓し、侵入されにくい環境を整えておくこと。
  • 玄関をツーロックに、窓に補助錠を取り付けるなど、防犯設備を充実させること。建物部品を選ぶときは、防犯性能の高いものを選ぶこと。
  • 設置した防犯設備機器を有効に役立てること。
  • 旅行など長期不在にするときは、隣近所へ声を掛け合ったり、郵便物・新聞などの配達を止めるなどの対応も必要。

日常での心構えは、以下の通りとなります。

  • 合鍵の不正作製を防止するため、鍵を家族以外の人には「見せない」「渡さない」、写真や動画で「写さない」。
  • 自宅に必要以上の現金を置かないこと。電話などで在宅状況、家族の状況、資産状況を聞かれても答えないこと。
  • 不審を感じた場合には、ためらうことなく110番通報すること。