【65歳以上の無職夫婦世帯】生活するのに1カ月平均でいくらかかってる？《貯蓄・年金月額・家計収支》を見てみる「世帯主が65歳以上」二人以上世帯《貯蓄200万円未満》は何％なのか解説！

5. シニア世帯の生活意識調査：25.2％が「大変苦しい」と実感

厚生労働省の『2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況』から、高齢者世帯（※）が自身の生活をどのように感じているか、その意識調査の結果を見てみましょう。

※高齢者世帯：65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

この調査結果を分析すると、シニア世帯の暮らし向きは、経済的な状況によって大きく3つのグループに分類できることがわかります。

まず、全体の半数を超える55.8％の世帯が「大変苦しい」または「やや苦しい」と回答しており、日々の暮らしに経済的な圧迫を感じていることがうかがえます。

対照的に、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答えた世帯は合計でわずか4.2％にとどまり、経済的な余裕を感じているシニアは少数派であることが示されています。

そして、これらの中間に位置するのが「普通」と回答した層で、全体の40.1％を占めています。この割合は「苦しい」と感じる層よりは少ないものの、「ゆとりがある」層を大幅に上回りました。

経済的に十分な余裕があるとは言えないまでも、堅実な生活を送る一定数のシニア世帯が、社会の厚い中間層を形成している状況も見て取れます。

ここまで、65歳以上のシニア世帯に焦点を当て、「平均的な生活費や年金月額、貯蓄の実態」など、公的な統計データをもとにリアルな暮らし向きを解説しました。

リタイア後の生活は、主に公的年金を収入の柱として計画を立てることになりますが、支給される年金額は現役時代の経歴によって大きく変わります。

そのため、老後に必要となる資金額も、各世帯の状況によって様々です。

まずは将来受け取れる年金の見込み額を把握し、想定される支出と比較して、どれくらい資金が不足するのかを試算してみることが重要です。

もし不足額が大きいと判明した場合は、安心して老後を過ごせるよう、計画的に資金準備を進めてみてはいかがでしょうか。

老後は、現役時代と比べ収入が少なくなる傾向にあるため、できるだけ早い段階から準備をはじめることが望ましいでしょう。

※この記事は再編集記事です。

川勝隆登