1.1 年金受給額の分布で見える「月20万円の壁」

さらに、受給額ごとの人数の分布を見ていくと、その実態がより鮮明になります。

  • 月額15万円以上の受給者数:502万6090人(全体の約47.6%)
  • 月額20万円以上の受給者数:261万7157人(全体の約16.3%)
  • 月額25万円以上の受給者数:  27万6814人(全体の約1.72%)

厚生年金受給者の受給額分布を見ると、まず「月15万円以上」を受け取っている方は約47.6%に留まっており、2ヶ月分をまとめて30万円以上を一度に受け取る方が半数に届いていないという実態がわかります。さらに、月額20万円(2ヶ月で40万円)以上を受け取る方は全体のわずか16.3%に絞られ、これはおよそ6人に1人程度の割合です。

月額25万円(2ヶ月で50万円)を超える高額受給者は、約1.72%と極めて少数となっています。特に、男女別でこの分布を詳細に見ると、男性は月額20万円台の受給者が多く分布しているのに対し、女性は10万円台が多いという結果がわかりました。この男女間の受給額の差が、女性の平均額が男性に比べて低い大きな要因となっています。