2025年も最後の月となり、年の瀬が近づいてきました。来年の家計や老後の備えについて見直す方が増える時期となりました。特に「自分が将来受け取れる年金はいくらなのか」「月20万円以上もらう人はどのくらいいるの?」といった、年金に対する疑問は尽きません。

今回は、厚生労働省の最新データをもとに、現在のシニア世代の受給実態を詳しく解説します。さらに、年金受給の「一人一年金」ルールや、働き方や性別に左右されない制度を目指した年金制度改正のポイントにも触れ、将来の安心につなげるための備えについて整理していきます。

1. 国民年金・厚生年金の受給額「平均が月15万円に届かない」男女平均はいくら?

今のシニア世代が実際に受給している年金額についてみていきましょう。

厚生労働省によると、厚生年金受給者(男性・女性の合計)の平均支給額は月14万6429円です。この金額には国民年金(老齢基礎年金)も含まれています。この「月15万円に届かない」という平均額は、多くの方が抱くイメージよりも少ないと感じるかもしれません。

年金は2ヶ月分がまとめて支給されるため、実際の支給日には約29万2858円が振り込まれている計算になりますが、生活費として考えると決して余裕のある金額とは言えません。

なお、男女別で見ると、平均月額には大きな差が見られます。男性の平均が16万6606円であるのに対し、女性の平均は10万7200円となっています。