物価高騰が続くなかで、計画的に貯蓄を積み上げることは決して容易ではありません。コツコツと貯蓄をしていても、自身の貯蓄額が一般的な金額と比べて多いのか、あるいは少ないのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
特に12月は、ボーナスや年末年始の出費が重なる時期。貯蓄を増やすチャンスである一方、支出が膨らみやすく、計画性が問われるタイミングでもあります。こうした時期にこそ、自分の貯蓄状況を客観的に把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、20〜70代の単身世帯の貯蓄事情について、J-FLEC(金融経済教育推進機構)のデータをもとに解説していきます。リアルなおひとりさまの貯蓄事情が気になる方はぜひチェックしてみてください。
1. 【おひとりさまの貯蓄事情】みんなの貯蓄額はいくら?
単身世帯の貯蓄事情を平均値・中央値に分けて紹介していきます。同年代がどのくらい貯蓄しているのか見ていきましょう。※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 単身世帯20〜70代の平均値・中央値
単身世帯の場合、年代別の貯蓄額は以下の通りです。
【年代別の平均値】
- 20代:161万円
- 30代:459万円
- 40代:883万円
- 50代:1087万円
- 60代:1679万円
- 70代:1634万円
【年代別の中央値】
- 20代:15万円
- 30代:90万円
- 40代:85万円
- 50代:30万円
- 60代:350万円
- 70代:475万円
年代別の平均値では、年齢を重ねるにつれて貯蓄額は増加する傾向が見られます。例えば、20代平均値が161万円に対して、50代は1087万円と約7倍の差があります。これには長い就業期間や収入の伸びが反映されていると考えられます。
しかし、より実態に近い中央値に注目すると状況は異なります。引用したデータの通り、中央値は必ずしも右肩上がりではなく、特に50代は2番目に低い水準となっています。
本来であれば収入のピークを迎えているであろう50代で、平均値と中央値の乖離が大きいことから、一部の層が平均値を押し上げていると予想できるでしょう。この結果からは単身世帯における貯蓄状況が容易ではなく、年代を問わず二極化が進んでいる可能性があると言えます。
次に単身世帯との比較として、二人以上の貯蓄事情を紹介していきます。
