2.1 第1子出産をめぐる女性の就業変化

厚生労働省が公表する「令和7年版厚生労働白書」をみると、第1子出産をめぐる女性の就業変化が見えてきます。

第3号被保険者の多くが女性である背景には、日本の就業構造が影響しています。厚生労働白書によると、第1子出産を機に仕事を離れたり、非正規雇用へ移行したりする女性が多い傾向にあります。

1985~89年生まれの層では、出産前に働いていた女性の約37.4%が「出産退職」 を選択していました。2000年代初頭までは、出産後も継続して働く人の割合は過半数に届いていませんでした。

近年は継続就業率が上昇し、2015~19年では53.8% にまで増加しています。しかし、正規雇用ではなく「パート・派遣」での継続が増えており、収入が抑えられやすい働き方へと移行するケースが多数見られます。これが、年収130万円未満となり第3号被保険者に該当しやすくなる要因のひとつと考えられます。