冬の寒さによって体温が低下し、体の抵抗力が弱まる季節です。

東京消防庁のホームページによると、年末年始を含む冬場には、救急車が出場する機会が増大し、119番通報を受けてもすぐに救急車が到着できなくなる恐れがある、という注意喚起がなされています。

そんな救急車出動の多い次期ですが、こうした「もしも」のときに役立つのが、マイナ保険証別ウインドウで開きますを活用した「マイナ救急」です。

今回は「マイナ救急」について、その取組やメリット、利用方法について政府広報オンラインがわかりやすく解説しています。

いざという時に慌てないよう、緊急時に活用できることをしっかり理解しておきましょう。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。

1. 「マイナンバーカード」を活用して緊急時でも慌てず円滑に、救急の不安をゼロへ

「マイナ救急」とは、救急現場において救急隊員が傷病者のマイナ保険証を活用し、搬送先医療機関の選定などに役立つ情報を把握することにより、救急業務の円滑化を目指す取り組みのことを指します。

通常、これらの情報は傷病者本人や、家族から聞き取りますが、病気やけがで苦しんでいる本人や、急な事態にご家族が慌てている場合、救急隊員に正確な情報を伝えることが難しい場合もあるでしょう。

こうした場合に役に立つのは、「マイナンバーカード」です。

救急隊員が専用端末を使い、傷病者のマイナ保険証から医療情報を閲覧することで、円滑な搬送先医療機関の選定や、より適切な処置を行うことができるのです。

また、マイナ救急を利用するためには、事前に「マイナ保険証の登録」が必要です。

以下で「マイナ救急の具体的な流れ」を見ていきましょう。

1.1 マイナ救急の具体的な流れ

1.119番通報:指令員が通報者に傷病者のマイナ保険証の準備を依頼します。

2.同意の確認:救急隊員は、マイナ保険証を使った医療情報の閲覧について、傷病者本人に同意を求めます。

※傷病者が意識不明で同意取得が困難な場合は、傷病者の生命や身体を保護する必要があれば、同意なしに医療情報を閲覧することがあります。

3.本人確認:救急隊員は、傷病者の顔とマイナ保険証の写真を見て本人確認を行うため、マイナンバーカードの暗証番号の入力は原則不要です。

4.情報閲覧:救急隊員がマイナ保険証を専用のカードリーダーで読み取り、傷病者の過去の受診歴や薬剤情報などの医療情報を閲覧します。

5.処置への活用:閲覧した情報は、傷病者の円滑な搬送先医療機関の選定や処置などに活用します。

※各消防本部によって、上記の流れは若干異なる場合があります。

2. マイナ救急を利用するために必要な準備とは?どの情報が閲覧されるの?

マイナ救急は、2025年10月1日には、全国にある全ての消防本部(720消防本部)、計5334隊の救急隊(常時運用救急隊の98%)で全国一斉に開始されています。

マイナ救急を利用するためには、事前に「マイナ保険証の登録」、外出時にはマイナンバーカードを携帯していることが大切です。

またマイナ保険証で、どの情報まで閲覧されるのか、気になる方もいるでしょう。

以下で、マイナ救急で取り扱われる情報を見ていきましょう。

2.1 マイナ救急で取り扱われる情報

マイナ保険証から救急隊員が閲覧できる情報は、氏名や住所などのマイナンバーカード上に記載された情報と、受診歴や薬剤情報などの医療情報に限られます。

マイナ保険証で参照可能な主な情報は以下の通りです。

  • 過去の受診歴(5年分)
  • 過去の電子処方箋情報(100日分)
  • 過去の薬剤情報(5年分)
  • 過去の手術情報(5年分)
  • 過去の診療情報(5年分)
  • 過去の特定健診の情報(5回分)

税や年金など、救急活動に関係のない情報は閲覧できず、マイナ保険証を読み込んだカードリーダー及びタブレット端末には、情報が記録されることもありません。

また、傷病者が意識不明で同意取得が困難な場合は、傷病者の生命や身体を保護する必要があれば、同意なしに医療情報を閲覧することがあります。

なお、過去の医療情報の閲覧履歴は、マイナポータルで確認することができることも知っておきましょう。

3. マイナ救急で一命を取り留めた事例「60代男性が心肺停止」

政府広報オンラインでは、これまでの実証実験において、マイナ救急により一命を取り留めた事例も紹介されています。

3.1 マイナ救急により一命を取り留めた事例①「60代男性が心肺停止」

救急隊到着時の状況:勤務先で心肺停止状態。同僚が通報したが、受診歴や薬剤情報などを把握していなかった。

救急隊の活動内容:処置と並行し、マイナ救急で脳梗塞、高血圧、大動脈疾患の受診歴や薬剤情報などを確認し、搬送先に伝達した。

マイナ救急の有用性:傷病者の処置と並行して、受診歴などを搬送先に伝えることで、早期に緊急手術を行うことができ、一命を取り留めることができた。傷病者はその後退院し、社会復帰した。

3.2 マイナ救急により一命を取り留めた事例②「70代男性が意識もうろう・意思疎通困難」

救急隊到着時の状況:意識もうろうで、意思疎通が困難だった。

救急隊の活動内容:マイナ救急で薬剤情報を確認し、消化管出血による貧血を疑い、緊急内視鏡・輸血の処置が可能な医療機関に搬送した。

マイナ救急の有用性:薬剤情報から病名を推測し、適切な搬送先で早期に緊急手術を行うことで一命を取り留めることができた。また、搬送先の医師からは「薬剤情報を事前に得られたため、緊急オペなどの事前準備ができた」とコメントがあった。

いかがでしたでしょうか。

「マイナ救急」は、「マイナ保険証」の機能と「救急業務」をデジタルの力で融合させた取り組みです。
この取り組みにより「救命率の向上」と「医療の質の担保」が確保しやすくなり、救急業務の円滑化が期待できるでしょう。

4. 「マイナ保険証」を利用するとどんなメリットがあるの?

では最後に、「マイナ保険証」を活用することで得られるメリットを、「マイナ救急」以外にも整理してご紹介します。

厚生労働省によると、従来の健康保険証と比較した場合、マイナ保険証には次のようなメリットがあります。

マイナ保険証と従来の健康保険証との比較4/4

マイナ保険証と従来の健康保険証との比較

出所:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット」

  • データに基づくより良い医療が受けられる
  • マイナポータルで医療費控除が簡単にできる
  • 手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除される

情報提供に同意すると、初めて受診する医療機関や薬局でも過去の医療情報をデータとして共有でき、より適切な医療を受けやすくなります。

さらに、手続き不要で高額療養費の自己負担限度額を超える分の支払いが免除される仕組みや、マイナポータルを利用して確定申告時の医療費控除が簡単に行える点など、多くのメリットがあります。

まだマイナンバーカードをお持ちでない方は、こうしたメリットを踏まえ、早めに申請を検討してみるのもよいでしょう。

参考資料

LIMO編集部