12月に入り日本海側を中心に積雪するところも出てきて、寒さが厳しくなってきています。
物価上昇が続く生活保護受給者にとって頼りになるのが、生活保護の「冬季加算」です。受給者の中には、「冬季加算はいつから支給されるの?」「支給対象者は?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。
本記事では、生活保護「冬季加算」の支給期間について解説します。冬季加算の対象者も紹介しますので、受給者の人は確認しておきましょう。
1. 生活保護と冬季加算
最初に、生活保護制度と冬季加算の内容について確認しておきましょう。
1.1 生活保護とは
生活保護とは、生活困窮者に対し困窮の程度に応じて必要な保護を行い「健康で文化的な最低限度の生活を保障」するための制度です。
一定の基準で家庭ごとの最低生活費を算出し、収入や年金などで不足する金額が保護費として支給されます。
生活保護には次の「8つの扶助」のほか、冬季加算や母子加算、障害者加算などの加算があります。
1.2 冬季加算とは
冬季加算は、生活保護費(生活扶助)に上乗せして支給される加算金のことです。
冬には暖房費(光熱費)や冬物衣類など、生活費がかさむことを考慮して生活扶助に上乗せして支給されます。
冬季加算は、地域によって支給期間が異なり、地域と世帯人数によって支給金額が異なります。
2. 「冬季加算」の支給期間はいつ?3つのパターン
冬季加算の支給期間は、地域によって次の3つのパターンがあります。地域区分は地域ごとの気候(寒さ)によって6つに区分され、地域区分によって支給期間や支給金額が決まります。
冬季加算の支給期間2/2
出所:厚生労働省等の資料を参考に筆者作成
2.1 パターン①
- 支給期間:10月~4月(7ヶ月)
- 対象地域:Ⅰ区(北海道、青森、秋田)、Ⅱ区(岩手、山形、新潟)
2.2 パターン②
- 支給期間:11月~4月(6ヶ月)
- 対象地域:Ⅲ区(宮城、福島、富山)、長野、Ⅳ区(石川、福井)
2.3 パターン③
- 支給期間:11月~3月(5ヶ月)
- 対象地域:Ⅴ区(栃木、群馬、山梨、岐阜、鳥取、島根)、Ⅵ区(上記以外の都道府県)
ここまで、生活保護制度と冬季加算の内容、地域区分別の支給期間について解説しました。次章では、冬季加算の対象者とよくある質問に対する回答を紹介します。
3. 冬季加算の対象者
冬季加算の対象者は、生活保護の「生活扶助」を受けている世帯です。生活扶助を受給していれば、世帯人数や年齢に関係なく冬季加算が支給されます。
生活保護の「医療扶助」は受けているが「生活扶助」は受けていない場合は対象外です。
4. 冬季加算に関するよくある疑問と回答
冬季加算に関するよくある質問に対して、Q&A形式で回答します。
4.1 Q1:冬季加算を受給するには申請が必要?
申請は不要です。
生活扶助を受給していれば自動的に支給されるため、別途申請する必要はありません。
4.2 Q2:冬季加算はいつ支給されますか?
毎月の生活保護費の定例支給日と同じです。
冬季加算は単独で支給されるわけではなく、生活保護費の上乗せとして同時に支給されます。
4.3 Q3:冬季加算の使途について制約はありませんか?
使途に関する制約はありません。
冬季加算を含む生活保護費は現金給付され、給付後の使い道をチェックされるわけでありません。ただし、制度の趣旨は、「冬の寒さに対応するための暖房費(灯油代や電気代など)」を補うものであることは理解しておきましょう。
4.4 Q4:暖房器具を買うために冬季加算を一括受給できませんか?
一括受給できる可能性があります。
市区町村の社会保険事務所などの判断となりますが、必要でやむを得ないと認められれば、一括受給できます。
4.5 Q5:障害者などに対する優遇措置はないですか?
障害者などに対する優遇措置があります。
障害等による療養のため外出が著しく困難で常時在宅せざるを得ない人や、乳児がいる人などは、通常の冬季加算額の1.3倍の金額が受け取れる可能性があります。
5. まとめにかえて
冬季加算は、暖房費や冬物衣類などの負担を考慮して生活扶助に上乗せして支給されます。支給時期は、地域区分によって「10月~4月(7ヶ月)」「11月~4月(6ヶ月)」「11月~3月(5ヶ月)」の3パターンに分かれます。
寒さの厳しい地域ほど支給期間が長くなるとともに、支給金額が多くなります。寒い冬を乗り切るための大切な制度ですので、支給時期や支給金額をきちんと確認して、計画的に活用しましょう。
参考資料
西岡 秀泰