2015年の代表的なセクターと銘柄を振り返る
いまや自動車セクターは日本の株式市場では大きな比率を占め、その動向が株式市場を左右します。
また、日本国内では人口の高齢化や減少が進み内需拡大が期待できるマクロ環境ではない一方、円安や生活水準の向上による訪日外国人旅行者の増加と彼らの消費動向が大きく影響したのが小売りセクターです。
今回は、その2大セクターと銘柄の動向をまとめます。
自動車セクターは意外な銘柄が上昇
日本の株式市場の時価総額では大きな比率を占める自動車セクター。2015年に大きく上昇したのはやや意外な銘柄でした。
TOPIXを上回ったのは、日産自動車(7201)、ヤマハ発動機(7272)、富士重工業(7270)といった銘柄で、トヨタ自動車(7203)はTOPIXを下回っています。
単純に業績が良いだけで株価が評価されるような素直な市場でなかったこともあり、苦労された投資家も多かったのではないでしょうか。
2016年にかけては、新興国の景気回復に注目しています。ただし、米国の利上げが実施された中、今後もそのトレンドが続くと、新興国からの資金流出や通貨安などが起こる可能性もあり、注意が必要です。
また、2015年は独フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス規制不正問題などもありましたが、今後自動車の駆動プラットフォームがガソリン車・ディーゼル車などから電気自動車に少しずつでも変わってくるとなると、部品メーカーの再編もあり得るでしょう。デンソー(6902)など大手の動きにも注目したいと思います。
インバウンド効果のあった小売りセクター
2015年に「爆買い」というキーワードとともに注目された外国人旅行者によるインバウンド効果。実際、丸井グループ(8252)や無印良品(7453)などの株価は好調でした。
一方、日経225の代表的な銘柄であるユニクロことファーストリテイリング(9983)は、年初来ほぼ横ばいという状況です。すなわち、2015年の小売りセクターは、インバウンド効果の一言だけで語ることができる簡単な状況ではなかったようです。
2016年は、Eコマースを活用した新しい販売形態であるオムニチャネルやポイントを、ICT(情報通信技術)を活用して小売業の販売促進活動にいかに連動させていくかに注目しています。ローソン(2651)やイオン(8267)、ファミリーマート(8028)などにも注目です。
2016年は、米国の金融政策の変更、欧州でのテロの動向、新興国の資金流出などのポイントを視野に入れながら、株価上昇の確率の高い銘柄を探したいものです。
【2016年1月1日 投信1編集部】
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LIMO編集部