政府の総合経済対策のうち「重点支援地方交付金」の活用方法に注目が集まっています。
その活用方法として政府は「おこめ券」を推奨していますが、おこめ券を採用しないと明言する自治体も。
物価高が続くなかで、昨今の米価格の上昇は家計に甚大な影響をもたらしています。こうした状況下、おこめ券はありがたい支援だと考えられますが、なぜ重点支援地方交付金を「おこめ券」として活用するのにさまざまな論争が巻き起こっているのでしょうか。
1. 【物価高対策】なぜ「おこめ券」配布は反対され、論争になるの?
重点支援地方交付金について、自治体が「おこめ券」を配布することには、いくつかの問題点があります。
1.1 おこめ券はコストが発生し、支援額が「満額」に満たない
贈り物としても便利な「おこめ券」ですが、実は発行や流通に際してさまざまなコストがかかります。
おこめ券の希望販売価格は1枚500円です。消費税はかかりません。
このおこめ券でお米に引き換える場合、引き換え価格は1枚につき440円(▲60円)となります。
この差額分は、おこめ券を発行するための流通経費や券の印刷代などに充てられます。
もし1人あたり3000円分の支援が受けられるとすると、おこめ券という形をとることで実際の支援額は2640円となってしまうのです。
1.2 事務コストが増える
もし自治体が重点支援地方交付金の活用方法として「おこめ券」を採用したら、事務面でのコストもかかってしまいます。
おこめ券の調達、配布方法の決定、郵送の処理、そして、利用方法等への問い合わせ対応も発生するでしょう。事務作業が増え、それに伴う人件費も発生しまいます。
費用対効果を考えると、おこめ券以外の支援策が選択肢にあがる自治体が出てくるのは自然の流れといえるでしょう。