3月27日、ブロガーのはあちゅうさんが事実婚を公表しているAV男優のしみけんさんとの間に、第1子となる男児を妊娠したと発表。このニュースが報道されるやいなや、ネットでは「この2人が親なんてかわいそう」「思春期になったら、父親の仕事をどう思うのだろうか」などと批判的な意見が続出しました。

いわゆる一般的な立場や職業ではない方を親に持つ子どもに対し、無意識で感じてしまう「子どもがかわいそう」という感覚。今回は、この「子どもがかわいそう」問題について考えました。

「子どもがかわいそう」は誰目線?

「子どもがかわいそう」と聞いてイメージされるのは、どんな親でしょうか。人によっては虐待や育児放棄をしている親と答えるかもしれませんし、シングルマザーやシングルファーザーの親と答える人もいるでしょう。はたまた、夫婦共働きの親、正社員ではない親、専業主婦(主夫)の親と答える人もいるかもしれません。

この、「親が〇〇だなんてかわいそう」という目線は、一見すると子どものことを心配する善意のように思えます。しかし、それは自分の“理想の親論”や先入観から来るものではないでしょうか。

筆者も、息子が生後2カ月半の頃に仕事復帰したためベビーシッターに預けることがたびたびありましたが、「そんな小さいうちから他人に預けるなんてかわいそう」と言ってきた人がいました。「母親なんだから常に一緒にいてあげないと寂しい思いをさせてしまうよ」と。

筆者はそのように言われるたびに、「子どもが将来、行きたい学校ややりたいことを家庭の経済的な理由で絶たれてしまう方がかわいそうだと思います」と返すようにしていました。そうすると、たいていの人は黙ってそれ以上何も言わなくなります。

そもそも当事者でもないのに、他人の子どもが感じる寂しさの度合いを理解できるなんて、おかしな話。「子どもがかわいそう」と言ってくる人は、たいていが子ども目線に立ってくれているのではなく、自分の考えを押し付けてきているのです。

常につきまとう「自分が親でこの子は大丈夫だろうか」という不安

また、他人にそんなことを言われなくても、親は常に「自分がこの子の親で大丈夫だろうか。この子にかわいそうなことをしていないだろうか」と自問しています。筆者も昨年の出産後、「自分がこの子だったら、こんな母親を持ってしまってかわいそうではないだろうか」と不安に駆られることがしょっちゅうあります。