ボーナスや年末調整をきっかけに、老後資金について考え始める人が増える12月。

特に50歳前後になると、「年金だけで足りるのか」「今から準備して意味があるのか」と不安を感じる人も少なくありません。

最近、新NISAが話題となっていますが「資産運用に興味はあるけれど、今からはじめても意味があるのか?」「毎月いくら積み立てれば老後の足しになるのか?」など、疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、50歳から65歳までの15年間、毎月5万円を積み立てた場合に資産がどの程度になるのかを年利別に試算しつつ、新NISAの仕組みと向き合い方を整理します。

家計や生活を圧迫しない範囲で、老後への備えを考えるヒントにしてください。

1. 【利用するとどんなメリットが?】「新NISA」の仕組みを整理

まず、新NISA制度の基本的なポイントを確認しておきましょう。

NISAとは、本来約20.315%の税金がかかる運用益が非課税になる制度です。

2014年の導入以来続いてきた制度ですが、2024年の大幅な改正により内容が大きく変わり、「新NISA」として再スタートしました。

1.1 【新NISA】「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の特徴をおさらい

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴1/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限額:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限額:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:投資信託やETF

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

新NISAの大きな魅力は、運用で得た「売却益(譲渡益)」や「配当金」に約2割の税金がかからず、非課税で受け取れる点です。

運用で得た利益をそのまま受け取れるため、投資を始めるのであれば新NISAを先に活用するメリットは大きいと言えます。

また、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用できるため、ライフステージや資金状況に合わせて柔軟に運用方法を選べるのも特徴です。

毎月コツコツ積み立てる「つみたて投資枠」が広く使われていますが、まとまった資金があるなら「成長投資枠」で一括投資することもできます。

さらに、非課税保有期間が無期限となったことで、じっくりと長期的に資産形成を進めやすくなりました。

2. 【年利別】50歳〜65歳まで「毎月5万円」を積立投資した場合の資産額をシミュレーション

では、実際に運用した場合どの程度の資産になるのか、次の前提条件をもとにシミュレーションしてみます。

  • 期間:50歳から65歳までの15年間
  • 積立額:毎月5万円
  • 年利:1~5%

2.1 【シミュレーション結果】「毎月5万円」×15年×想定利回り「年率1~5%」の資産額

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果2/3

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回り:資産評価額※元本は900万円

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

元本900万円を年1〜2%で運用した場合、最終的な資産額はおよそ1000万円前後に到達すると考えられます。

これが年4%で運用できれば約1200万円、年5%なら1300万円を超える水準まで増える計算です。

ただし、実際の利回りは運用してみないと確定せず、元本割れのリスクもあるため、この点は十分に理解しておく必要があります。

リスク許容度は家庭や個人によって異なるため、複数のケースを試算し、自分に無理のない範囲で運用方法を検討していきましょう。

3. 【年代別】みんなの食費はどれくらい?ひと月あたりの「平均的な食費」を見る

家計項目の中でも、日常的に見直しやすく、工夫次第で節約効果が出やすいのが「食費」です。

総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」を参考に、二人以上世帯のひと月あたりの食費の平均を見てみましょう。

「年代別」ひと月あたりの食費3/3

「年代別」ひと月あたりの食費

出所:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」をもとにLIMO編集部作成

全体平均 7万5258円

  • ~29歳 5万2413円
  • 30~39歳 6万9433円
  • 40~49歳 7万9900円
  • 50~59歳 8万1051円
  • 60~64歳 7万9831円
  • 65~69歳 7万7405円
  • 70~74歳 7万4322円
  • 75~79歳 6万8274円
  • 80~84歳 6万6257円
  • 85歳~ 6万3347円

二人以上世帯の食費は、50歳代が最も高く約8万円、その後は年齢が上がるにつれて緩やかに減少し、85歳以上では6万3347円に落ち着いています。

食費は家族構成やライフステージによって変動しますが、とくに所得が低めの世帯では「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が高くなる傾向があります。

物価上昇が続く現在は、食品の価格変動を意識しつつ、食生活と家計のバランスを上手く整えていきたいところです。

4. 年末は、家計や資産状況を見直す絶好のタイミング

50歳からの老後準備では、年金見込み額に加えて、どの程度の自己資金を確保できるかが重要になります。

新NISAを活用して毎月5万円を15年間積み立てた場合、利回りによって最終的な資産額には大きな差が生じることが分かります。一方で、元本割れの可能性がある点も理解しておく必要があります。

また、老後の生活費の中でも食費は毎月必ず発生する固定的な支出です。平均的な食費水準を把握したうえで、年金収入と貯蓄・運用資産のバランスを考えることが、現実的な家計設計につながります。

年末は、家計や資産状況を見直す絶好のタイミングです。新NISAを含め、さまざまな選択肢を比較しながら、ご自身の生活スタイルに合った老後資金の備え方を検討してみてください。

参考資料