【後期高齢シニア】75歳からの生活費・年金・貯蓄のリアルを徹底解説。すでに9月末、後期高齢者医療制度「2割負担の配慮措置」は終了医療費自己負担《1割・2割・3割》の判定基準も再確認

2. 【75歳以上・無職夫婦世帯】「ひと月の生活費」は平均いくら？

総務省の「家計調査家計収支編（2024年）」をもとに、75歳以上の無職夫婦世帯（後期高齢シニア夫婦）の平均的な家計収支を見ていきます。

後期高齢シニア夫婦の平均的な家計は、毎月およそ2万1000円の赤字となっており、年金などの収入だけでは生活費をまかないきれず、継続的に貯蓄を取り崩している状況です。

平均消費性向……可処分所得（いわゆる「手取り収入」）に対する消費支出の割合
エンゲル係数……消費支出に占める食料費の割合

75歳以上・無職夫婦世帯の「支出の特徴」として、まず、住居費が抑えられている点が挙げられます。

持ち家率が95.4％と非常に高いため、家賃や住宅ローンの負担がほとんどなく、現役世代と比べても住居関連の支出が大幅に低いことが特徴です。

また、この調査に含まれる支出は日常生活にかかる一般的な費用であり、大きな介護費用は計上されていません。

将来的に介護が必要になれば、現在示されている赤字額はさらに拡大し、貯蓄の減少ペースが早まる可能性がある点にも注意が必要です。

生命保険文化センターの調査では、夫婦2人が老後に必要とする「最低限の生活費」は平均23万9000円、「ゆとりある生活費」は平均39万1000円とされています。

一方で、後期高齢シニア夫婦の実収入（約25万円）は、最低日常生活費をなんとか上回っているものの、ゆとりある生活費とは約13万円もの開きがあります。

この不足分をどのように補うかが、老後の生活の質を左右する重要なポイントとなるでしょう。