5. まとめにかえて
公的年金制度は、老後の生活を支える重要な土台です。本記事で確認したように、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給者であっても、年金月額が「20万円以上」となるのは全体の約16.3%にとどまっています。
国民年金のみの受給となれば、その水準はさらに低くなります。現役時代の収入や加入状況によって個人差はありますが、「公的年金だけで豊かな老後を送る」というイメージは現実的ではないことが見えてきました。
公的年金の支給額を正しく把握することは、老後資金準備のスタート地点です。年金だけでは賄えない部分を、どのように自助努力で補っていくかを考えることが不可欠です。
2025年11月~12月を迎え、年末の慌ただしい時期ではありますが、ご自身の「ねんきん定期便」を確認し、老後の生活設計を見直す良い機会と捉えましょう。
また、昨今の物価高騰や将来の医療・介護費用なども考慮すると、自助努力の重要性は増しています。
現役世代のうちからiDeCoや新NISAといった制度を活用し、計画的に資産形成を進めることが、将来の安心につながるでしょう。公的年金に加えて、自助努力による備えを複合的に進めていきましょう。
参考資料
マネー編集部年金班
執筆者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)
監修者
校閲者・編集者/記者/二種外務員資格(証券外務員二種)
早稲田大学第一文学部卒。学参系編集プロダクションなどで校正・校閲・執筆を経験。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。現在はLIMO編集部において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集に携わる。紙媒体での経験を生かし「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。ニ種外務員資格(証券外務員二種)保有。(2025年11月22日更新)