今年も残すところあとわずかとなりました。2025年は後期高齢者医療制度において、2割自己負担の方への配慮措置が9月末で終了するなど、いくつかの変化がありましたね。

ところで、原則75歳からのこの制度に、実は65歳から加入できる特例があるのをご存知でしょうか。
今回は、一定の障がいがある方が対象となる「障害認定」の仕組みや、国民健康保険料と比較した場合のメリットについて、具体的な事例もふまえて解説します。

※本記事では、この「一定の障がいがある方のための特例措置」による加入を、便宜上「障害認定による加入」または「障害認定」と表記します。

1. 【後期高齢者医療制度】医療費の特性と各保険者の比較「市町村国保の平均年齢」とは?

後期高齢者医療制度とは、原則として75歳以上の方を対象とする独立した後期高齢者医療広域連合が運営する医療保険制度です。

後期高齢者と74歳以下の人の1人当たりの医療費を比較した厚生労働省の資料を見ると、後期高齢者は74歳以下の人と比べ、1人当たり医療費総額が約3.9倍と非常に高くなっていることが分かります。特に入院に限ると、後期高齢者の1人当たり医療費は74歳以下の人の約6.5倍にもなります。

また、日本の医療保険制度には、国民健康保険、協会けんぽ、組合健保、共済組合など、職業や年齢に応じて多様な制度が設けられています。それぞれの制度で加入者の平均年齢も大きく異なります。

加入者(令和5年3月末)

  • 市町村国民健康保険:2413万人
  • 協会けんぽ:3944万人
  • 組合健保:2820万人
  • 共済組合:982万人
  • 後期高齢者医療制度:1913万人

平均年齢(令和4年9月末)

  • 市町村国民健康保険:54.2歳
  • 協会けんぽ:38.9歳
  • 組合健保:35.9歳
  • 共済組合:33.1歳
  • 後期高齢者医療制度:82.8歳

65~74歳の割合(令和4年度)

  • 市町村国民健康保険:44.6%
  • 協会けんぽ:8.2%
  • 組合健保:3.5%
  • 共済組合:2.4%
  • 後期高齢者医療制度:1.4%

後期高齢者医療制度は原則75歳以上が対象ですが、実は65歳から加入できることもあります。それが「一定の障がいがある方のための特例措置」としてある障害認定で加入するケースです。