4. 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は?中央値との差も解説

金融経済教育推進機構の『家計の金融行動に関する世論調査 2024年』を基に、70歳代の二人以上世帯が保有する貯蓄額について見ていきましょう。

※ここでいう金融資産保有額には、預貯金のほかに株式、投資信託、生命保険などが含まれます。日常的に出し入れする普通預金の残高は含まれていません。

【70歳代】二人以上世帯:金融資産保有額階層ごとの世帯割合

【70歳代】二人以上世帯:金融資産保有額階層ごとの世帯割合

出典:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

  • 平均:1923万円
  • 中央値:800万円

平均額は2000万円近くあり一見すると高額ですが、より実態に近いとされる中央値は800万円です。

仮に毎月2万円の赤字が20年間続くと、合計で480万円の貯蓄を取り崩す計算になります。

さらに、旅行や趣味、冠婚葬祭、家電の買い替え、病気や介護の費用など、予期せぬ出費も考慮しなければなりません。

これらの点を踏まえると、老後に向けて安心して暮らすためには、計画的な資産形成と生活の見直しが不可欠といえるでしょう。

5. シニア世代の年金受給額は月平均いくら?厚生年金と国民年金の実態

最後に、老後の生活を支える収入の柱である公的年金について、厚生労働省年金局が公表した『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』から、現在のシニア世代が受け取っている年金の平均月額を確認します。

5.1 厚生年金の平均受給月額

厚生年金保険(第1号)「平均年金月額はいくら?」

厚生年金の月額(平均と1万円刻み)

出典:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:14万6429円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金の基礎年金部分を含んだ金額です。