3. 70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情:平均額と中央値から見える実態

次に、金融経済教育推進機構の『家計の金融行動に関する世論調査 2024年』を基に、70歳代・二人以上世帯の貯蓄状況について見ていきましょう。

※この調査における金融資産保有額には、預貯金のほかに株式、投資信託、生命保険などが含まれます。一方で、日常的な支払いや引き落としに使う普通預金の残高は含まれていません。

【70歳代】二人以上世帯:金融資産保有額階層ごとの世帯割合

【70歳代】二人以上世帯:金融資産保有額階層ごとの世帯割合

出典:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」

  • 平均:1923万円
  • 中央値:800万円

金融経済教育推進機構『家計の金融行動に関する世論調査 2024年』によると、平均貯蓄額は約2000万円に迫る一方で、より実態に近いとされる中央値は800万円となっており、両者には大きな差が見られます。

仮に毎月2万円の赤字が続いた場合、20年間で約480万円が不足する計算になります。

さらに、旅行や趣味といった楽しみだけでなく、親族との交際費、自動車の維持費や買い替え、家電製品の更新、あるいは病気や介護に伴う費用など、予期せぬ出費が発生することも考えられます。

これらの点を考慮すると、老後に向けて十分な資金を準備するためには、早い段階からの計画的な資産形成が重要になると言えるでしょう。