年金で暮らしている方にとって、12月15日の支給日はちょっと特別な日です。年末の出費が増えるこの時期、少しでも家計にゆとりがあると安心です。

この日に、厚生年金や国民年金に加えて、条件を満たせば「年金生活者支援給付金」として最大1万900円が上乗せされる可能性があります。

公的年金だけで生活している世帯も少なくない中、この給付金は年末の家計を助ける心強い制度です。

この記事では、給付金を受け取れる対象者や条件、申請の流れ、さらに平均的な年金額についてわかりやすくまとめました。年末のうちに確認して、取りこぼしのないようにしましょう。

1. 「年金生活者支援給付金」制度の概要を解説

基礎年金を受け取っている方のうち、所得が一定の基準を満たしている場合に「年金生活者支援給付金」の支給対象となります。

この給付金には「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つの種類があり、それぞれ対象となる年金に応じて設けられています。

1.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者と支給要件

老齢年金生活者支援給付金は、以下の要件をすべて満たしている方が対象です。

  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
  • 世帯全員の市町村民税が非課税である
  • 前年の公的年金などの収入金額(※1)と、それ以外の所得の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下(※2)である

※1 障害年金・遺族年金といった非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以降生まれの方で80万9000円を超え90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

1.2 障害年金生活者支援給付金の対象者と支給要件

障害年金生活者支援給付金を受け取るには、次の要件を両方満たす必要があります。

  • 障害基礎年金を受給している
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数によって基準額は変わります)

※ 障害年金などの非課税収入は所得に含まれません。

1.3 遺族年金生活者支援給付金の対象者と支給要件

遺族年金生活者支援給付金は、以下のすべての条件に該当する方が対象となります。

  • 遺族基礎年金を受給している
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数に応じて基準額は増額されます)

※ 遺族年金などの非課税収入は所得に含まれません。

いずれの「年金生活者支援給付金」も、支給されるかどうかは前年の所得額が大きく関わっています。