暦の上では一年で最も寒さが厳しくなる「大寒」を控え、底冷えのする毎日が続いております。
新しい年を迎え、気持ちも新たにお過ごしのことと存じますが、厳しい寒さによる暖房費の増加や、相次ぐ物価高騰が家計に重くのしかかるこの時節、将来の備えに改めて関心を持たれている方も多いのではないでしょうか。
現役世代にとっては、日々の家計をやりくりしながら、並行して「老後に向けた準備」を整えていくことが求められる時代です。
公的年金の受給額は、現役時代の働き方や勤続年数、勤務先の企業規模などによって大きな差が生じます。
国税庁が公表した最新の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は477万5687円でした。
このうち、賞与を除いた年収(平均給料・手当)は402万9344円となっており、月額に換算すると33万5778円です。
こうした現役時代の報酬水準は、将来受け取る厚生年金の額に直接反映されますが、具体的な受給額については「自分はいくらもらえるのかよくわからない」という声も少なくありません。
そこで今回は、将来の生活設計を具体的にイメージするために、厚生年金+国民年金を「ひとりで月額15万円(夫婦で30万円)以上」受給している人は実際にどのくらいいるのか、最新の統計データにもとづきわかりやすく解説します。
1. 【基本を整理】日本の公的年金制度は「国民年金と厚生年金」の2階建て構造
日本の公的年金制度は、土台となる「国民年金」と、その上に上乗せされる「厚生年金」から成り立っており、一般に「2階建て」の仕組みと呼ばれています。
ここでは、この2つの年金制度について、基本的なポイントをあらためて整理していきます。
【1階部分】国民年金(基礎年金)の概要
- 加入対象:原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
- 保険料:全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)
- 受給額:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれる
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
【2階部分】厚生年金の概要
- 加入対象:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料:収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
- 受給額:加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
国民年金と厚生年金では、加入の対象者や保険料の決まり方、年金額の算出方法などに違いがあり、老後に受け取る年金額は、加入していた制度や現役時代の収入状況によって差が生じます。
また、公的年金の給付額は、物価や現役世代の賃金動向を反映し、毎年度見直される仕組みとなっている点も押さえておきたいポイントです。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
