年の瀬を迎え、何かと出費が増える師走の時期です。 街には華やかなイルミネーションが灯り、新しい年への期待が高まりますが、老後の生活資金に対する不安は、多くのシニア層にとって依然として深刻な問題として横たわっています。
厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の半数以上が現在の生活を「苦しい」と感じているという衝撃的なデータが示されました。 平均的な年金受給額と支出の実態を詳細に見てみると、70歳代の無職二人以上世帯では、毎月の収支が赤字となっている現実が浮かび上がります。 現役時代に築いた貯蓄を切り崩して生活している状況が推測され、老後破綻は決して他人事ではありません。
本記事では、公的統計データに基づき、シニア世代のリアルな経済状況と、年金だけでは賄えない生活費の具体的な不足額に焦点を当てて解説します。
データが示す厳しさを理解し、来るべき老後に向けた具体的な資産形成の必要性を改めて考えるきっかけとしてください。
1. 【老後のリアル】シニアの55.8%が「生活が苦しい」と感じている
現代のシニアがどのような生活観を持っているのか、まずはその実態を見てみましょう。
厚生労働省が実施した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢者世帯の生活意識には次のような傾向が見られます。
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人の割合は合わせて55.8%に達しました。
高齢者世帯では、「普通」と回答した人よりも、日々の暮らしを「苦しい」と感じている人のほうが多いという結果になっています。
