3. 【生活保護】増加する申請件数「どんな世代で申請が多い?」

生活保護の申請件数は、増加傾向にあるようです。2023年・2024年の申請件数を比較してみましょう。

生活保護申請の件数

生活保護申請の件数

出所:厚生労働省「令和6年度被保護者調査 結果の概要」をもとに筆者作成

2023年申請件数

  • 1月:2万95件
  • 2月:1万9318件
  • 3月:2万4493件
  • 4月:1万9633件
  • 5月:2万2680件
  • 6月:2万1681件
  • 7月:2万2627件
  • 8月:2万1341件
  • 9月:2万1644件
  • 10月:2万900件
  • 11月:2万1972件
  • 12月:1万8695件
  • 合計:25万5079件

2024年申請件数

  • 1月:2万154件
  • 2月:1万8427件
  • 3月:2万1610件
  • 4月:2万796件
  • 5月:2万3952件
  • 6月:2万100件
  • 7月:2万5235件
  • 8月:2万1359件
  • 9月:2万1832件
  • 10月:2万1561件
  • 11月:2万2320件
  • 12月:1万8551件
  • 合計:25万5897件

2024年の申請件数は25万5897件です。2023年は25万5079件ですから、818件、約0.3%ほど増加しています。

増加の理由は、受給世帯に高齢者世帯が増えている点が考えられるでしょう。昨年12月時点の保護世帯数164万3111世帯のうち、高齢者世帯は90万2810世帯で、割合にすると54.9%を占めています。

また、単身世帯の高齢者は51.1%と半数以上を占めており、身寄りのない人の保護件数が増えているのです。

注目すべきは、年金受給額と保護費の逆転現象です。国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2025年度で月額6万9308円の一方、東京都の保護費の目安は月額13万円程度です。生活保護費のほうが大きな金額をもらえる現状から、貯蓄のない高齢者世代は生活保護の申請をせざるを得ない状況となっています。

日本の高齢者人口は2025年6月1日現在で3620万4000人で、総人口1億2337万1000人の約30%を占めています。今後も、年金だけでは暮らせない高齢者による申請は、増加が見込まれるでしょう。

次章では、保護申請のハードルとなっているものを解説します。