12月に入り、年金支給日である12月15日が近づいてきました。
厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)で14万円台となっています。
ただし、年金の受給額には大きな個人差があります。
国民年金・厚生年金を合わせて月30万円以上受け取る人もいれば、月1万円未満の人もいるのが現状であり、受給額の格差は広がっています。
こうした中、所得が一定基準を下回る人を対象に、年金とは別に上乗せ支給されるのが「年金生活者支援給付金」です。
本記事では、年金生活者支援給付金の概要や支給要件、請求方法を詳しく解説します。必要な支援を受け取り損ねないよう、今のうちにチェックしておきましょう。
1. 年金生活者支援給付金制度とは?「ひとり1万900円」上乗せされるのはどんな人?
「年金生活者支援給付金」は、公的年金を受給している人のうち、所得が一定基準以下の世帯に対して支給される国の給付金制度です。
物価上昇などによって生活が厳しくなっている高齢者を支援する目的で、2019年10月の消費税率引き上げにあわせて創設されました。
年金生活者支援給付金制度には、受け取る年金の種類に応じて次の3つの区分があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
2025年度は、物価上昇などの影響を踏まえて、年金生活者支援給付金の給付基準額が前年度より2.7%引き上げられました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円(+175円)・2級5450円(+140円)
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)
実際に支給される金額は、上記の給付基準額をもとに、保険料の納付済期間や免除期間などを考慮して計算されます。
例えば、老齢年金の受給者が給付基準額どおりに支給される場合、偶数月の年金支給日に「2ヵ月分」がまとめて振り込まれます。
したがって、「5450円 × 2ヵ月分 = 1万900円」が、年金本体に上乗せされて支給される計算になります。

