3. 医療費負担割合が1割になる条件とメリット

後期高齢者の医療費負担割合は、基本的に多くの人が1割負担となります。2割負担・3割負担どちらの条件にも該当しなければ、医療費負担割合は1割です。所得の少ない人や住民税が非課税の人などは、1割負担になると考えておいてよいでしょう。

医療費の負担割合が1割であれば、医療費支出が抑えられるだけでなく、高額療養費制度も利用しやすくなります。高額療養費制度とは、医療費支出が所定の1ヵ月の自己負担限度額を超えた際に、超えた分が払い戻される制度です。

医療費の負担割合が1割の場合、住民税非課税世帯に該当する可能性が高いです。そのため、自己負担限度額が低く設定されており、高額療養費制度を使いやすくなります。参考として、70歳以上の自己負担限度額を見てみましょう。

70歳以上の自己負担限度額

70歳以上の自己負担限度額

出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成

70歳以上〜

  • 年収約1160万円〜:25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
  • 年収約770万円~約1160万円:16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
  • 年収約370万円~約770万円:8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
  • 年収156万~約370万円:5万7600円
    ※外来は1万8000円、年間14万4000円
  • 住民税非課税世帯:2万4600円
    ※外来は8000円
  • 住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など):1万5000円
    ※外来は8000円

経済的不安が軽減され、安心して医療を受けられるようになっています。

次章では、医療費の負担割合が判定される基準について解説します。