より深刻なのは客数の減少です。2017年12月以来、客数の減少月が15ヶ月連続となっています。2018年12月以降は、前年のマイナスを踏まえても更にマイナスです。

鳥貴族の既存店のマイナスは、2018年12月以降については、1年を経ていることもあり、単純に値上げの反動が影響したとだけでは言い切れない状況ともいえます。

新規出店を抑制も業績改善はこれからか

既存店が完全失速する事態に、同社も手をこまねいている訳ではありません。

2019年3から7月は新規出店を一時停止し、直営店を21店舗削減、8月からは不採算店、自社競合店の退店を検討し、実施する予定です。

ただ、足元は2019年3月8日に発表された2019年7月期Q2累計決算を見てもわかるように、売上高が対前年同期比+8%ではあるものの、営業利益は同▲60%減と、減益率はQ1と比べて大きく改善しているとはいえません。

ワタミの業績が復活へ

失速する鳥貴族の一方で、「和民」などの居酒屋チェーンを運営するワタミが復活しつつあります。

ワタミの既存店売上高は、2019年3月期Q3時点累計で101.5%とプラス成長を果たしています。今期は客単価こそマイナス月が生じているものの、客数は概ねプラスを維持しています。