鳥貴族の値上げが実施されたのは2017年10月。それから1年以上が経過し、鳥貴族は客離れに苦しむ状況が続いています。一方で、ワタミが復活しています。外食産業は競争が厳しく、勢いのあるチェーンの顔ぶれが頻繁に入れ替えることが知られますが、鳥貴族は巻き返しに成功するのでしょうか。

鳥貴族の既存店売上は失速

一般庶民の飲み会の大いなる味方、鳥貴族が値上げを行ったのが2017年10月。それまでの全品280円が298円(いずれも税抜き。税込の場合には302円から321円に)に値上げとなり、大きな話題となりました。

当時は、「たかが18円」、いや「6%も値上げとなっている」など様々な意見が飛び交いましたが、それから1年以上が経過し、鳥貴族の既存店売上高を見ると、残念ながら失速し、値上げの消費者への影響は大きかったと言えます。

同社の開示資料を見ると、2018年1月以降の既存店は2019年2月まで対前年同月比で連続してマイナスとなっています。ここまで14ヶ月続けてのマイナス成長となり、一時の勢いはなくなっています。

より深刻なのは既存店の客数減少トレンド

同社の既存店は客数、客単価のいずれもマイナス月が継続しています。客単価に関しては2017年10月の値上げ効果があり、2018年9月までプラスが継続していました。

しかし1年を経過し、その値上げ効果も剥落して、2018年10月以降はマイナスに転じています。