2025年も残すところ1カ月ほどとなりました。12月は公的年金の支給があり、今年最後の収入を楽しみにしている世帯も少なくないことでしょう。

しかし、現実には「年金だけでは日常生活程度も賄うのが難しい」と感じる世帯は約4割にも上ります。また、老後の生活を支える収入源は変化していることも、現役世代が知っておくべき情報です。

今回は、70歳代で貯蓄3000万円以上の世帯割合を紹介するとともに、平均年金月額や老後の収入源にも触れていきます。

新しい年を迎えるまでに、老後の生活について一度じっくり考え、新年から貯蓄をスタートしてみてはいかがでしょうか。

1. 70歳代、貯蓄3000万円の世帯は何パーセント?《単身世帯・二人以上世帯》

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに、70歳代の貯蓄事情を、単身世帯・二人世帯に分けて見ていきましょう。

1.1 【単身世帯】70歳代で3000万円以上保有するのは約1.6割

【単身世帯】70歳代の貯蓄事情

【単身世帯】70歳代

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

70歳代の単身世帯に注目すると、3000万円以上の貯蓄を保有するのは15.9%と、約6人に1人の割合です。一方、「貯蓄ゼロ」の世帯は27.0%と3000万円の貯蓄を有する世帯よりも多くなっています。

世帯間の経済格差には、現役時代からの貯蓄の他、退職金や相続なども影響しているでしょう。

1.2 【二人以上の世帯】70歳代で3000万円以上保有するのは1.9割

【二人以上の世帯】70歳代の貯蓄事情

【二人以上の世帯】70歳代

出所:J-FREC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

70歳代の二人以上の世帯では、3000万円以上の貯蓄を保有するのは19%です。約5~6人に1人の割合ですが、貯蓄「ゼロ」世帯も20.8%と同程度の割合が気になるところです。

二人以上の世帯に焦点をあてると、単身世帯よりも貯蓄「ゼロ」世帯は少なくなっています。その一方で貯蓄が1000万円未満の世帯は51.8%と半数を超えており、老後の生活資金確保が難しい世帯は決して少数派ではないと考えられるでしょう。