2.1 厚生年金+国民年金「ひとりで月額20万円以上」を受け取るにはどのくらいの平均年収が必要?

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厚生年金と国民年金を合わせて「月額20万円以上受け取るための平均年収」を試算すると、次のようになります。

【試算条件】

  • 老齢基礎年金:満額 6万9308円(2025年度額)
  • 必要な老齢厚生年金:20万円-6万9308円=13万692円(年額156万8304円)
  • 厚生年金加入期間:480カ月

年金額は「平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間(月数)※」で求められるため、以下のように試算できます。

  • 厚生年金の年額(156万8304円)=平均標準報酬額×5.481/1000×480ヵ月
  • 平均標準報酬額=156万8304円÷0.005481÷480カ月
  • 平均標準報酬額=約59万6113円

※2003年4月以降の「平均標準報酬額」の計算式を用いて試算

つまり、厚生年金加入期間が480カ月の場合、月額20万円の年金を得るための現役時代の平均月収の目安は約59万6113円、年収に換算すると約715万円となります。

3. 自分の年金額を把握し、不足分への備えを考えましょう

厚生年金受給者のうち、月額20万円以上を受け取っている人は全体の約16%にとどまり、多くはそれ以下の水準です。

年金額は現役時代の働き方や収入によって大きく差があり、「誰でも月額20万円もらえる」というものではありません。

さらに実際に振り込まれるのは、税金や社会保険料が差し引かれた後の「手取り額」です。そのため、生活費として使える金額は公表されている支給額よりも少なくなります。

老後の生活を安定させるには、まず自分の年金額を正確に確認し、不足分をどのように補うかを検討しておくことが大切です。

参考資料

加藤 聖人