4. 「いまの働き方と収入」は、遠い将来の年金に繋がっています
厚生年金は現役時代の働き方や収入によって、年金額が大きく異なります。
厚生労働省が提示した、現役時代の年金加入経歴類型別・男女別の年金パターンを見てみましょう。
出所：厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
4.1 経歴類型①：男性・厚生年金期間中心
年金月額：17万3457円
- 平均厚生年金期間：39.8年
- 平均収入：50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
- 基礎年金：6万8671円
- 厚生年金：10万4786円
4.2 経歴類型②：男性・国民年金（第1号被保険者）期間中心
年金月額：6万2344円
- 平均厚生年金期間：7.6年
- 平均収入：36万4000円
- 基礎年金：4万8008円
- 厚生年金：1万4335円
4.3 経歴類型③：女性・厚生年金期間中心
年金月額：13万2117円
- 平均厚生年金期間：33.4年
- 平均収入：35万6000円
- 基礎年金：7万566円
- 厚生年金：6万1551円
4.4 経歴類型④：女性・国民年金（第1号被保険者）期間中心
年金月額：6万636円
- 平均厚生年金期間：6.5年
- 平均収入：25万1000円
- 基礎年金：5万2151円
- 厚生年金：8485円
4.5 経歴類型⑤：女性・国民年金（第3号被保険者）期間中心
年金月額：7万6810円
- 平均厚生年金期間：6.7年
- 平均収入：26万3000円
- 基礎年金：6万7754円
- 厚生年金：9056円
上記の年金額のパターンを見ると、将来受け取る年金額の水準は、以下の2点によって大きく左右されることがわかります。
- 厚生年金への加入期間の長さ
- 現役時代の平均収入の高さ
特に、年金水準を大きく左右するのは、「国民年金」と「厚生年金」のどちらが中心だったかという点です。
既に触れた「2階建ての年金制度」では、厚生年金の加入期間が長く、かつ高収入であった人ほど、受け取る年金額が大幅に増加する構造がはっきり見えます。
