朝晩の冷え込みが一気に強まり、冬の到来を感じる季節となりましたね。年末調整や確定申告に向けた準備で、1年間の収入を振り返る機会も増えているのではないでしょうか。

今年も食料品や日用品、ガソリン代など家計にかかわる物の値段が高騰しました。貯蓄に対する不安を抱える人も少なくないでしょう。

今回は、みんなの貯蓄額を一覧で紹介します。併せて、老後資金の目安の一つとしても捉えられつつある「3000万円以上の貯蓄」を保有する世帯の割合も見ていきましょう。

1. 【貯蓄額一覧表】みんなの平均はいくら?

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」をもとに、みんなの平均貯蓄額を紹介します。

1.1 二人以上世帯【全体】みんなの貯蓄《平均・中央値・世帯差》を見る

二人以上世帯【全体】みんなの貯蓄《平均・中央値》

  • 平均値:1984万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値:1189万円
  • 貯蓄現在高「0」世帯を含めた中央値(参考値):1099万円

二人以上世帯【全体】みんなの貯蓄《世帯差》

  • 100万円未満:10.2%
  • 100~200万円未満:4.9%
  • 200~300万円未満:4.9%
  • 300~400万円未満:4.9%
  • 400~500万円未満:4.0%
  • 500~600万円未満:4.3%
  • 600~700万円未満:3.9%
  • 700~800万円未満:3.1%
  • 800~900万円未満:3.3%
  • 900~1000万円未満:2.8%
  • 1000~1200万円未満:5.8%
  • 1200~1400万円未満:4.5%
  • 1400~1600万円未満:4.5%
  • 1600~1800万円未満:3.0%
  • 1800~2000万円未満:3.0%
  • 2000~2500万円未満:6.7%
  • 2500~3000万円未満:5.1%
  • 3000~4000万円未満:7.2%
  • 4000万円以上:13.9%

二人以上世帯全体の平均貯蓄額は、1984万円です。一方で、貯蓄保有世帯の中央値は1189万円にまで下がります。

分布を見ると、貯蓄が100万円未満の世帯が10.2%となっている一方で、4000万円以上の世帯がほぼ同じ割合の13.9%となっています。

平均値は一部の「お金持ち世帯」に引き上げられる傾向があります。

この場合、貯蓄保有世帯の中央値1189万円、ないしは貯蓄「0」世帯を含めた中央値1099万円が、みんなの「実情」に近い値と言えそうです。

1.2 二人以上世帯【勤労者世帯】みんなの貯蓄《平均・中央値・世帯差》を見る

二人以上世帯【勤労者世帯】みんなの貯蓄《平均・中央値》

  • 平均値:1579万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値:947万円
  • 貯蓄現在高「0」世帯を含めた中央値(参考値):885万円

二人以上世帯【勤労者世帯】みんなの貯蓄《世帯差》

  • 100万円未満:11.1%
  • 100~200万円未満:6.1%
  • 200~300万円未満:6.2%
  • 300~400万円未満:5.5%
  • 400~500万円未満:4.6%
  • 500~600万円未満:4.8%
  • 600~700万円未満:4.8%
  • 700~800万円未満:3.4%
  • 800~900万円未満:3.5%
  • 900~1000万円未満:3.0%
  • 1000~1200万円未満:6.6%
  • 1200~1400万円未満:4.5%
  • 1400~1600万円未満:4.3%
  • 1600~1800万円未満:3.0%
  • 1800~2000万円未満:3.1%
  • 2000~2500万円未満:6.2%
  • 2500~3000万円未満:4.7%
  • 3000~4000万円未満:5.7%
  • 4000万円以上:9.0%

二人以上の世帯のうち勤労者世帯に絞ると、平均貯蓄額は1579万円です。しかし、そのうち約75%の世帯が貯蓄2000万円未満のゾーンに属しています。

貯蓄保有世帯の中央値は947万円で、平均値から632万円も下がっています。

「働く世帯のほうが貯蓄は多いのでは?」と思われた方もいるかもしれませんね。しかし実際は、全体よりも勤労者世帯に絞ったほうが、平均貯蓄額は405万円、割合にして約2割も低いのです。

この背景には、子育てやマイホーム購入など、働く世帯(もしくは働く世代)に特有のライフイベントの影響があると考えられるでしょう。