現役のころは、会社が給与から税金を天引きし、年末調整で精算まで済ませてくれていた。そんな仕組みに慣れている人ほど、「確定申告」という言葉に戸惑うかもしれません。
年金を受け取りながら暮らすようになると、これまでのように会社が税の手続きを代行してくれるわけではありません。
では、年金受給者は全員が確定申告をしなければならないのでしょうか。それとも一部の人だけが対象なのでしょうか。
本記事では、年金受給者の確定申告の要・不要をわかりやすく整理し、注意すべきポイントを解説します。老後生活に向けて、ぜひ参考にしてみてください。
1. 確定申告ってそもそも何?
まずは、「確定申告」がそもそもどんな仕組みなのか確認しましょう。
確定申告とは、1年間に得た所得や支出の内容を自分でまとめ、国(税務署)に「私はこれだけの収入があり、税金はこれだけ納めます」と申告する手続きです。
年末調整のように会社が代わりに処理してくれるわけではなく、自分の所得に基づいて正しい税額を算出し、場合によっては納税や還付(払いすぎた税金の返金)を受けることになります。
このため、源泉徴収票や控除証明書などの書類を集め、確定申告書を作成して提出するという一連の手続きが必要となります。