1.1 40歳代の貯蓄事情①「貯蓄がまったくない」世帯が25.7%

40歳代・二人以上世帯の約4分の1にあたる25.7%が「金融資産ゼロ」と回答しています。

子どもの教育費が本格的にかかり始める時期であるうえ、住宅ローン返済や車の買い替えなど大きな支出が重なる年代でもあります。

そのため、日々の生活で精いっぱいで「貯蓄に回す余裕がない」という家庭も少なくありません。

「40歳代=働き盛り」というイメージがありますが、一定数が貯蓄ゼロの状態で生活している点は見逃せない現実です。

1.2 40歳代の貯蓄事情② 中央値250万円、平均944万円──実態は中央値が近い

金融資産の中央値は250万円とされています。

一方、平均値は944万円と大きく乖離しており、一部の高資産層が平均値を押し上げていることがわかります。

家計の実像を捉えるには、極端な数値の影響を受けにくい「中央値」がより参考になります。

平均値だけを見ると「自分だけ貯蓄が少ないのでは」と不安を抱きがちですが、中央値250万円という数字は40代の現実に近い水準と言えるでしょう。

1.3 40歳代の貯蓄事情③「100万円未満」も約1割。貯蓄に苦戦する家庭の存在

金融資産100万円未満の世帯が全体の約1割を占めています。

教育費のピークが続くなか、共働きでも貯蓄が追いつかない家庭は珍しくありません。また、物価高により生活費が増え続けていることも、貯蓄のしづらさに拍車をかけています。

40歳代はライフイベントが多く、世帯によって支出の内容が大きく異なるため、貯蓄額の格差が生まれやすい年代といえます。