総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯のひと月の実収入は13万4116円、支出は16万1933円、家計収支は2万7817円の赤字に。公的年金収入だけでは、老後の生活が成り立たない現状が浮き彫りとなりました。
もし、この単身無職世帯のひと月の実収入が20万円あれば、現在の支出16万1933円を差し引いても、約3万8000円の黒字となります。つまり、「せめて月20万円の年金が欲しい」という願いは、現在の赤字を解消し、物価高騰の影響や、ゆとりある生活を送るための現実的な目安として考えられていることがわかります。
しかし、昨今の物価上昇は深刻です。
株式会社プラネットがおこなった「値上げと生活防衛に関する意識調査」によると、最近1年間で「物価上昇を感じる」と回答した人は実に95%に達し、そのうち家計を「引き締めている」と答えた人は6割以上に上ります。
米を始めとする生活必需品の数々。近年の価格変化、みんなはどう感じている?
出所:プラネット「FromプラネットVol.238 <値上げと生活防衛に関する意識調査>」〜95%が「物価上昇を感じる」なか、消費行動の変容を探る~(PR TIMES)
特に主食である「米」の価格高騰を83.2%が実感するなど、食費をはじめとする生活必需品の値上がりが家計を圧迫しています。
このような厳しい経済状況の中、「月20万円」という目標は理解できるものの、実は、厚生労働省の一次資料を見ると、厚生年金受給権者であっても、月20万円以上(偶数月に一度の年金支給で40万円以上)を受け取っているのはごく一部なのです。
今回は、公的年金制度のしくみや、今のシニア世代の年金受給額事情について、一次資料をもとにお伝えしていきます。現役時代のうちに知っておきたい「老後の年金を増やす方法」についても紹介しましょう。