12月15日は、年金受給中の世帯にとって、まさに年の瀬の準備資金となる大切な年金支給日。この時期は、クリスマスや年末年始の出費が重なり、さらには厳しい寒さによる暖房費の増加で、家計が一年で最も厳しくなりやすいタイミングですね。

日々の生活基盤を底上げし、家計の安定をはかるため、一定の所得要件を満たす年金受給者を対象とした「年金生活者支援給付金」が、公的年金に上乗せして支給されます。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金で月額5450円を受給しているひとり世帯であれば、この12月15日の支給額は、2カ月分の合計で1万900円となります。この上乗せ分は、まさに年末の食費や急な医療費、お正月準備の費用として活用していきたいものですね。

本記事では、この年金生活者支援給付金が「誰に」「いくら」支給されるのか、支給対象となった場合の手続き方法などについて、整理してお伝えしていきます。

1. 《老齢・遺族・障害》年金生活者支援給付金を知っていますか?

この制度は、老齢年金・障害年金・遺族年金の受給者のうち、所得が一定基準以下の方を対象に、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されるものです。給付額は物価変動なども考慮しながら、毎年度見直しがおこなわれています。

1.1 年金生活者支援給付金制度「スタートの経緯、そして目的」とは?

年金生活者支援給付金制度「スタートの経緯、そして目的」とは?

年金生活者支援給付金制度の目的とは?

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

「年金生活者支援給付金制度」は、消費税率の改定に伴いその引き上げ分(8%→10%)を財源として、2019年10月にスタートしました。

所得が低めで、年金額も少なめの「老齢・障害・遺族」各基礎年金を受給中の人の暮らしを支えることを狙いとした制度です。一定の所得要件を満たすと、公的年金の本体に「上乗せ」する形で現金給付がおこなわれます。