2025年も早いもので師走を迎えました。年金受給者にとって、12月は待ちに待った支給日がやってきます。
ところで、物価高が続くいま、年金受給者は満足な支給額を得ているのでしょうか。冬支度を始めるこの季節、食費だけでなく光熱費も高くなっていきます。
いつかは老後を迎える現役世代の方にとっても、老後資金を準備するために年金額は気になるところです。
そこで今回は、厚生年金の月額が15万円以上の人に注目し、どれくらいの人が該当しているのか見ていきます。厚生年金があるから安心なのか、それともやはり自助努力の時代なのか。
現役世代の方も、ぜひ将来に向けた資産設計に役立てながら考えてみてくださいね。
1. 厚生年金の平均年金月額、男女全体で「14万6429円」
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は以下の通りです。
- 男女全体:14万6429円
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
1.1 厚生年金「報酬比例部分」はこう決まる
厚生年金の受給額は「報酬比例部分」が大きく影響します。報酬比例部分は、厚生年金の加入期間と、その期間の報酬(収入)を用いて計算されます。
具体的には、以下の計算式の「A+B」合計で決まるしくみです。
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
女性は出産や育児などのライフイベントにより、厚生年金に加入して働く期間が男性よりも短くなる傾向があります。また、男性に比べると平均賃金は低めです。
こうした背景から、厚生年金の平均月額は「男性>女性」となっているのです。
