年末が近づいてきた11月、今年も残りわずかとなりました。人生の節目を迎える中で、「もし離婚したら生活はどうなるのだろう」と考える方もいるかもしれません。令和6年(2024年)の離婚件数は18万5000組を超え、特に20年以上の同居を経た熟年離婚が増加しています。
今回は、離婚後の暮らしを支える「財産分与」と「年金分割」の仕組みや注意点を、最新の統計をもとにわかりやすく解説します。
1. 離婚件数、2年連続増加!2024年は18万5000組以上が離婚
近年、日本の離婚件数は一時期減少傾向にありましたが、厚生労働省の統計によると、令和5年(2023年)からは2年連続で増加しています。令和6年(2024年)の離婚件数は18万5895組で、離婚率(人口千対)も前年より上昇し1.55となりました。これは、平成14年(2002年)のピーク(28万9836組)以降続いていた減少傾向に変化が見られるもので、家族の形や結婚観が時代とともに多様化していることを示しています。
1.1 離婚件数・離婚率の年次推移「2年連続の増加」
離婚件数は平成14年(2002年)の28万9836組をピークとして、長期的に減少傾向が続いていました。しかし、令和5年(2023年)からは2年連続で増加に転じており、令和6年(2024年)は18万5895組となっています。
離婚率(人口千対)も同様に、令和6年は1.55と前年から上昇しており、減少傾向に変化の兆しが見られます。離婚率1.55とは、その年の日本の人口1000人あたり1.55組が離婚したことを意味します。これは、日本の家族構造や離婚に対する社会意識に何らかの変化が起きている可能性が考えられます。
1.2 同居期間別にみる離婚の傾向「増加する熟年離婚」
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近年の傾向として、同居期間別にみた離婚件数の推移を見ていきましょう。総数としては増加しているものの、「5年未満」の期間別では減少傾向が続いており、特に同居2〜3年未満(▲3.6%) と同居3〜4年未満(▲7.6%)の階級で前年比減少率が高くなっています。
一方で、「20年以上の長期同居」の離婚件数は増加(前年比2.2%増)しており、特に「35年以上」の超長期同居での離婚が増加率が高い(前年比5.4%増)という特徴が見られます。これは、熟年離婚の増加傾向が継続していることがわかります。
こうした動きの中で、離婚を選ぶ夫婦は「財産の清算」と「今後の生活設計」という2つの課題に直面します。離婚後の暮らしを安定させるためにも、次に紹介する「財産分与」と「年金分割」の制度をしっかり理解しておくことが大切です。
2. 財産分与、どんなものが「対象」になる?
財産分与とは、名義にかかわらず夫婦の協力で形成された財産を、離婚時に公平に整理・清算するための制度です。
2.1 財産分与の対象とは?名義や特有財産の考え方
対象となるのは「結婚してから夫婦で築いた財産」です。具体的には、家や土地、預貯金、株式、保険の解約返戻金などが含まれます。
ポイントは次の2つです。
- 名義は関係なし
どちらか一方の名義でも、実際に夫婦で協力して築いたものであれば対象になります。 - 対象外の財産もある
結婚前から持っていた財産や、相続・贈与で得た財産は、「夫婦の協力とは関係ない財産」である特有財産として分与の対象外です。衣類や装身具など個人的なものも含まれません。
3. 年金分割、「合意分割と3号分割」とは?
年金分割とは、離婚した場合に、結婚期間中の「厚生年金(または共済年金)」の記録を分け、それぞれ自分の年金として計算できる制度です。現金を分けるのではなく、分割された年金記録に基づき、「将来受け取る年金額」がそれぞれ計算される点が特徴です。
対象となるのは、年金の「会社員・公務員が加入する部分」である2階部分にあたる厚生年金・共済年金の報酬比例部分のみで、「すべての国民が加入する年金」である1階部分の老齢基礎年金(国民年金)には影響しません。
3.1 「合意分割」と「3号分割」2つの方法とは?
年金分割には次の2種類があります。
① 合意分割
- 対象:結婚期間中の厚生年金記録
- 方法:夫婦の合意、または家庭裁判所の決定によって割合を決める(最大で1/2まで)
3.2 ② 3号分割
- 対象:一方が「第3号被保険者(主に専業主婦・主夫)」だった期間
- 方法:当事者の合意は不要で、第3号被保険者だった方の請求だけで按分割合が1/2と定められ、年金記録が分けられる
※合意分割の請求期間に3号分割が含まれていれば、その部分は自動的に1/2で分割されます。
4. 財産分与と年金分割、請求期限「5年に延長予定」
離婚は人生の大きな転機ですが、制度を知って備えることで安心して次のステップに進めます。財産分与は、結婚生活で築いた財産を公平に分けるしくみです。名義に関係なく、夫婦で協力して得た財産が対象となります。年金分割は、結婚期間中の厚生年金の記録を分ける制度で、将来受け取る年金額に影響します。合意分割と3号分割の2つの方法があり、それぞれ手続きや請求条件が異なります。
現在は請求期限が2年ですが、法改正により5年に延長予定です。期限に間に合わず本来の権利を失うことがないよう、早めの確認や専門家への相談が重要です。これらを知ることで、安心して自分らしい再スタートを切ることができます。




