11月も後半に入り、街には年末の気配が漂い始めました。

この時期は、家計や来年の計画を見直す方も多いのではないでしょうか。そんな中、老後の資金計画を考えるうえで欠かせないのが「年金」です。

公的年金は、受け取りを早めるか遅らせるかによって、毎月の金額が変わります。ただ、本当に気になるのは「最終的にいくら受け取れるのか」という点ではないでしょうか。

早く受け取れば月々の金額は少なくなりますが、その分長い期間受け取ることになります。反対に、受け取りを遅らせれば月額は増えますが、受給期間は短くなります。では、結果として総額にはどのような差が生まれるのでしょうか。

この記事では、最新の平均年金額を紹介し、繰上げ・繰下げそれぞれの場合の累計受給額をシミュレーションしていきます。

1. 令和シニアが受給している「厚生年金・国民年金」の平均額を見る

60歳から90歳以上のすべての受給権者を対象とした厚生年金と国民年金の「平均年金月額」と「受給額分布」を確認していきましょう。

1.1 【厚生年金】「男女別平均月額」と「受給額分布」

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

【厚生年金】受給額分布(1万円刻み)

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

厚生年金を受給している人全体の平均月額は14万6429円でした。

男女別にみると、男性は16万6606円、女性は10万7200円となっており、およそ6万円の差がみられます。