寒さが増し、年末の慌ただしさを感じるこの頃。 この時期は、来年の生活設計や老後の備えについて改めて考える方も多いのではないでしょうか。

超高齢社会が進む日本において、公的年金制度の持続可能性や個人の老後資金への懸念は、依然として大きな関心事です。

しかし、実際に高齢者世帯がどの程度生活に不安を抱えているのか、具体的なデータを知る機会は少ないかもしれません。 厚生労働省の調査によると、高齢者の過半数が「生活が苦しい」と感じているという、厳しい現状が明らかになっています。

本稿では、この高齢者世帯の生活意識の現状を出発点とし、70歳代の具体的な平均支出・収入、そして貯蓄の状況を公的統計データに基づき徹底分析します。 年金収入だけでは毎月赤字が生じている実態や、平均貯蓄額の裏に隠された格差など、老後のお金に関するリアルな姿を明らかにします。

1. 【シニアの生活意識調査】高齢者の約半数が「生活が苦しい」と感じている現状

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢者世帯の生活意識は次のような状況です。

  • 大変苦しい:25.2%
  • やや苦しい:30.6%
  • 普通:40.1%
  • ややゆとりがある:3.6%
  • 大変ゆとりがある:0.6%

「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した割合は合計で55.8%に達しており、「普通」と答えた層よりも生活の厳しさを感じている人が多いことが分かります。