2. 「シニア単身世帯」は借家率が高いって本当?夫婦世帯と比較
ここまでのデータからも分かるように、70歳代の単身世帯では貯蓄額のばらつきが大きく、平均と中央値の差や分布の偏りから、老後の生活設計において「資産の偏在」が顕著であることが見て取れます。
シニアの資産状況を考えるうえで、もう一つ重要になるのが居住形態です。
住まいは生活の土台であり、持ち家か賃貸かによって老後の支出や安心感は大きく変わります。
そこで次に、「高齢者のいる世帯の住宅所有の傾向」について、まずは主世帯全体と比較しながら確認していきます。
2.1 「高齢者世帯」と「主世帯全体」の比較
2023年(令和5年)の統計によると、高齢者のいる世帯の持ち家率は81.6%、借家率は18.2%となっています。
一方で、主世帯全体では持ち家率が60.9%、借家率が35.0%であり、高齢者世帯の持ち家率はこれより20.7ポイント高い結果となっています。
この差は、年齢が上がるほど住まいが固定化され、住宅を資産として保有する傾向が強まることを示しています。
