12月に入り、今年もいよいよ終わりが近づいてきました。新しい年を迎える前に、家計や暮らしの状況を振り返る方も多いのではないでしょうか。
特に、老後の生活に直結する「貯蓄」や「住まい」は、安心して暮らすために欠かせないポイントです。
最近は物価の上昇や医療費の負担増など、家計を取り巻く環境が変化しており、貯蓄の有無や住まいの形が生活の安定に大きく影響します。
そこで今回は、70歳代・単身世帯で「貯蓄がゼロ」という世帯の割合を見ていきます。記事後半では高齢者のいる世帯の持ち家率と借家率についても確認してみましょう。年末のこのタイミングで、現状を知り、来年に向けた備えを考えるきっかけにしてみてください。
1. 【70歳代・おひとりさま世帯】「貯蓄が全くない世帯」は何パーセント?
70歳代の単身世帯に目を向けると、貯蓄がほとんどない、あるいは全く持っていないというケースも珍しくありません。
実際、金融経済教育推進機構が行った「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」では、70歳代の単身世帯における「貯蓄なし」の割合が以下のように示されています。
※なお、これから紹介する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
- 平均値:1634万円
- 中央値:475万円
平均貯蓄額は1600万円を超えている一方で、全体の約3割が貯蓄ゼロという結果から、実際には厳しい家計状況に置かれている高齢者世帯が少なからず存在していることがわかります。
