3. 【シニアの家計収支事情】70歳代シニアの「毎月の生活費」はいくら?

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、無職(年金世帯)の二人以上世帯の70〜74歳と75歳以上の家計収支は以下のとおりです。

65歳以上・二人世帯以上無職世帯の家計収支

65歳以上・二人世帯以上無職世帯の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

【70〜74歳と75歳以上の平均的な実収入】

  • 70〜74歳:27万5420円
  • 75歳以上:25万2506円

【70〜74歳と75歳以上の平均的な支出】

  • 70〜74歳:30万3839円(消費支出26万9015円・非消費支出3万4824円)
  • 75歳以上:27万3398円(消費支出24万2840円・非消費支出3万558円)

「70〜74歳」と「75歳以上」いずれのケースでも、毎月およそ2〜3万円の赤字が生じていることが分かります。

年間にすると約20〜40万円の不足となり、多くの人が生活の厳しさを感じていることがうかがえます。

実際に、厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯のうち55.8%が「生活が苦しい」と回答しています。

また、同調査では、公的年金のみで生活している高齢者は全体の43.4%にとどまることが示されています。

つまり、半数以上のシニアは年金だけでは生活費をまかないきれず、就労による収入や貯蓄の取り崩しで不足分を補っているのが現状です。

これらの結果からも、公的年金だけでは十分な生活資金を確保しにくく、経済的に厳しい状況に置かれている高齢者が多いことがわかります。

安心して老後を迎えるためには、現役のうちから計画的に準備を進めることが欠かせません。

日々の生活費の目安を知るだけでなく、「どのような目的で、いくらを、どの期間積み立てるのか」を明確にしておくことが重要といえるでしょう。