こうした社会のニーズを考えると、中学受験で問われる内容やそこでの結果は、問われている内容が必ずしも一致している状況ではないといえるでしょう。

話はそれますが、東京大学の31年度の前期試験で、東大文Ⅰの合格最低点が文Ⅱのそれを下回ったということがありました。

これは、法学部を卒業することで得られる就業機会や進路先と経済学部を卒業して得られる内容を比較した際に、優秀な学生が文Ⅱを選んだということが反映されているかもしれません。これまでは文Ⅰの方が文Ⅱよりも難しいとされてきましたが、今年はそうした状況と比べると、変化したと言えます。

このように価値観は時代とともに変化するものでしょう。だとすれば、いまの中学受験も時間が振り返ってみれば、「あれは一体何だったのか」というような時代が来るかもしれません。

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青山 諭志