物価の上昇で家計のやりくりに悩む人が増える中、政府の新しい経済対策として「給付付き税額控除」が注目されています。

街路樹の葉が色づき、冬の足音を感じる11月。光熱費や食料品の値上がりに頭を抱える家庭も少なくありません。そんな中、この制度は所得税の減税と現金給付を組み合わせ、特に所得の低い世帯を手厚く支援する仕組みです。

この記事では、「給付付き税額控除」の仕組みやメリット、そして支援対象となることが多い「住民税非課税世帯」の収入目安について、わかりやすく解説していきます。

1. 「給付付き税額控除」とは?その仕組みを解説

「給付付き税額控除」とは、所得税の税額控除(減税)と現金での給付を組み合わせた、新しい形の支援策です。

この制度の最も大きな特徴は、通常の税額控除とは異なり、控除しきれなかった金額が現金として支給される点にあります。

これにより、納税額が少ない、あるいはゼロの世帯にも支援が行き届くよう設計されています。具体的な例で見ていきましょう。

1.1 控除額10万円のケースで見る具体的な仕組み

具体例で見る仕組み(控除額:10万円の場合)

具体例で見る仕組み(控除額:4万円の場合)

出典:LIMO編集部作成

ケース1:Aさん(中所得層)

所得税額が10万円のため、全額が控除されて納税額は0円になります。この場合、現金での給付はありません。

ケース2:Bさん(低所得層)

所得税額が5万円なので、控除額10万円のうち5万円分が適用されます。控除しきれなかった残りの5万円は、現金で支給されます。

ケース3:Cさん(非課税世帯)

もともと所得税が非課税のため、控除額である10万円が全額現金で支給されることになります。

このように「給付付き税額控除」は、納税額を減らすだけでなく、納税していない世帯にも支援が届く画期的な仕組みといえます。