11月に入り、街の景色にも少しずつ冬の気配が感じられるようになりました。年末が近づくこの時期は、一年を振り返りながら《お金のこと》を見直す良いタイミングです。中でも、将来に向けた資産づくりに役立つのが「iDeCo(イデコ)」と「NISA(ニーサ)」です。

どちらも税制優遇を受けられる制度ですが、しくみや目的はそれぞれ異なります。今回はiDeCo(イデコ)とNISA(ニーサ)それぞれの特徴を整理し、「ライフプランに合った使い分け」のヒントを紹介します。

1. iDeCo(イデコ)とは?税優遇を活かして老後資金をしっかり準備

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金づくりに特化した制度で、税の優遇がとても手厚いのが特徴です。

1.1 iDeCo(イデコ)しくみと目的

iDeCoの基本的な仕組みは、以下の3つのステップから成り立っています。

1.自分で拠出(掛け金を出す)

ご自身で決めた金額を毎月積み立てます。

2.自分で運用

拠出した掛け金を、ご自身で選んだ運用商品(定期預金、保険商品、投資信託など)で運用し、老後の資金を準備します。iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況」にて令和7年3月末時点の「運用商品の資産構成比の推移」を見ると、加入者の運用商品構成比は投資信託等が8割以上と、圧倒的な人気を占めています。

iDeCo運用商品の資産構成比の推移

iDeCo運用商品の資産構成比の推移

出所:iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況」

3.年金資産の受け取り

運用結果と拠出額の合計が、原則60歳以降に年金または一時金として受け取れる年金資産となります。