「投資」と聞くと、少し前までは「難しそう」「自分には関係ない」と感じていた方も多いかもしれません。しかし今、投資は誰もが当たり前に取り組む資産形成の選択肢になりつつあります。

統計結果によると、家計に占める有価証券の割合は2022年の15.5%から2024年には19%にまで上昇しています。

この背景としては、新NISA制度の開始により、初心者でも投資を始めやすい環境が整ってきたこともあるのではないでしょうか。

さらに、11月は年末に向けて資産を見直す絶好のタイミングです。ボーナスや年末調整を控え、「来年こそ投資を始めたい」という声も増えています。インフレが進む現代社会において、自分の大切な資産をただ預金しておくだけでなく、賢く運用して「育てる」という視点が求められる時代になりました。

そこで本記事では、多くの方が現役生活からリタイアする65歳までに2000万円という目標資金を築くための具体的な投資計画を、毎月の投資額別にシミュレーションしていきます。

ぜひ、これからの投資計画の参考にしてください。

1. 積立シミュレーション

今回は、利回り4%で20年間の積立をする場合に、月額いくらの積立てで2000万円を達成することができるか、3パターンの金額を使ってシミュレーションをしていきます。

1.1 パターン1〜月額4万円〜

【積立条件】

  • 積立額:月額4万円
  • 積立期間:20年間
  • 平均利回り:4%

将来の運用資産額(月額4万円・20年間積立)2/5

将来の運用資産額(月額4万円・20年間積立)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【シミュレーション結果】

  • 投資元本:960万円
  • 運用後資産額:1455万円
  • 運用利益:495万円

1.2 パターン2〜月額5万5000円〜

【積立条件】

  • 積立額:月額5万5000円
  • 積立期間:20年間
  • 平均利回り:4%

将来の運用資産額(月額5万5000円・20年間積立)3/5

将来の運用資産額(月額5万5000円・20年間積立)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【シミュレーション結果】

  • 投資元本:1320万円
  • 運用後資産額:2001万円
  • 運用利益:681万円

1.3 パターン3〜月額7万円〜

【積立条件】

  • 積立額:月額7万円
  • 積立期間:20年間
  • 平均利回り:4%

将来の運用資産額(月額7万円・20年間積立)4/5

将来の運用資産額(月額7万円・20年間積立)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【シミュレーション結果】

  • 投資元本:1680万円
  • 運用後資産額:2547万円
  • 運用利益:867万円

2. シミュレーション結果をふまえて

3パターンの金額による積立シミュレーションを行った結果として、20年間の積立を利回り4%で運用することができた場合、月額5万5000円の積立をしていけば、ちょうど2000万円を達成できそうであることがわかります。

今回のシミュレーションは、あくまでも年間利回りが平均的に4%である場合の結果となります。実際には、利回りは年によって上昇・下降をするため一定にはなりません。

2000万円を確実に達成したいと考えた場合には、もう少し余裕を持った金額や積立期間を設定する必要があります。

一例として、今回のシミュレーションでは2000万円に達しなかった月額4万円という積立てであっても、積立期間を20年から25年に延長することで、同じ利回りであれば2000万円を達成できます。

将来の運用資産額(月額4万円・25年間積立)5/5

将来の運用資産額(月額4万円・25年間積立)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

この場合、65歳までに2000万円を貯めるためには、遅くとも40歳までに積立を開始しなければなりません。

3. 老後に向けた資産形成で重要なこと3つ

ここからは、老後のために資産を作っていくために大切な考え方をお伝えしていきます。

3.1 目標設定をすること

投資をするときは、まず目標設定をすることが大切です。目標が明確でない投資は、ゴールが見えないため、いくらになったら売却のタイミングなのかがわからなくなりがちです。

市場相場が上昇傾向の時に売却タイミングを逃して、暴落してしまう可能性もあります。

老後の資産として投資を開始するのであれば、老後に必要な金額を計算し、その額に達成したら積立を終了するなり、商品を売却して投資を終了する決断も必要となります。

【必要資金を考えるステップ】

  • 老後の収支を確認し、月の赤字額を確認する。
    →月々にどの程度の資産が必要なのかを把握する。
  • 通常の生活費以外に、まとまった必要資金を考える
    →旅行や家族のための費用など、毎月の生活費以外に考えられる支出を挙げていきます
  • 必要な資産額を計算する
    →上記の金額を合計し、65歳からの生活に必要な金額を算出する
  • 必要な資産に到達するための、現実的な投資計画を立てる
    →毎月の投資額や想定利回りが現実的ではないと、目標を達成することができません。無理のない計画を立てて、確実な投資を行いましょう。

3.2 できるだけ早く始めること

今回は、20年間で2000万円を達成するためのシミュレーションを行いました。しかし、定額積立によるメリットは、より長期間の積立をすることにより最大化されます。

早いうちから積立を始めることにより、積立額が大きなものでなくても複利の力を最大化して、目標額の達成が容易になりやすいです。

例え合計の投資額が同額であっても、より早く積立を始めた方が、利回りが一定である場合には、より利益を得やすいのです。

3.3 一時的な価格に動揺しないこと

積立投資で重要なことは、「長期・定額・分散」の視点です。この3つの原則を守ることで、限りなくリスクを抑えて、安全に資産を増やすことができるとされています。

長期的な投資をする中で、時には市場相場が下がり、保有している資産が元本割れしてしまうこともあるかもしれません。しかし、そんな時に焦って売却をしたり、月々の投資額を減らしてしまうと、安定的な投資が行えず、損をする一因になりかねません。

老後資金のために長期的な投資をすると決めた場合には、一時的な市場相場の上がり下がりに動揺せずに、決めた期間の投資をコツコツと続けることが重要です。

4. おわりに

今回は「老後資金2000万円」という目標に向け、積立投資で資産を築くための具体的な道のりをシミュレーションしてきました。

結果として、想定利回り4%で運用した場合であれば、毎月5万5000円を20年間継続することで目標金額に到達できることがわかりました。しかし、投資において避けて通れないものが「リスクの存在」です。市場は常に変動するため、シミュレーション通りの結果を得られることは稀であり、利益は保証されたものではありません。

しかし、一定のルールを守り計画的に進めることで、リスクを最小限に抑えながら資産形成を目指すことができます。

「早く始めること」そして「続けること」によって、安定した資産形成が可能となります。

将来の人生設計を考え、自分にとって適切な資産形成の一歩を踏み出しましょう。

参考資料