2. 貯蓄額はいくら必要か

統計データを見ると、どの年代においても貯蓄額は世帯ごとに大きな開きがあり、「一般的には」という言葉で考えることは難しいことがわかります。同じ30歳代や40歳代でも、貯蓄がない、又はほとんどない世帯もあれば、すでに数千万円の貯蓄がある世帯もあるのが現実なのです。

それでは、自分に必要な「貯蓄額」の目安とは、いくらなのでしょうか。ここからは、自分にとって必要な貯蓄額の考え方についてお伝えをしていきます。

2.1 もしもの時のための資金確保

はっきりとした目標がなくても、「なんとなく不安だから」という理由で一定の貯蓄をしている人は多くいます。貯蓄の目的に関する調査でも、「とくに目的はない」という回答をしている人が全世代の平均として24%ほど存在することからも、この傾向が見て取れます。これは「もしもの時に備えた安心」のための貯蓄であると言えるでしょう。

単身世帯である場合、自分に病気や怪我などの有事があった際に、収入が一切なくなると家賃や食費など日々の生活費に困窮してしまう可能性があります。そんな不測の事態に陥ったとき、一定の資産をもっていることで安心して生活をすることができます。

このように単身世帯における貯蓄額を考える際は、急な出費や収入の途絶えに対する「安心料」として必要な金額を考える必要があります。

2.2 ライフイベントを見据えた計画資金

さらに、貯蓄のステップが一歩進んだ段階が「目標を持った貯蓄」です。漠然とした不安に対する備えよりも、明確なゴールを持つことで、モチベーションを維持しながらより大きな金額の貯蓄を目指すことができるようになります。

「40歳までに、マイホームを購入するための頭金として1000万円を貯めよう」
「年に一度は海外旅行へ行きたいので、毎年50万円は確保しておこう」
「穏やかで安心な老後を送るために、65歳までに2000万円を準備したい」

このように、具体的なライフイベントに対する年齢と金額を決めておくことで、そこに向かって現実的な積立や投資の計画を立てることができます。

ライフプランを考えるポイント

ライフプランを考えるポイント

出所:金融庁「お金と暮らし「基礎から学べる金融ガイド」

ワクワクするような目標を持つことで、日々の生活に多少の我慢があったとしても、そこに向かって頑張る原動力にすることができるはずです。

自分の人生を豊かにするために何が必要か、何歳の時点でどんな体験や安心を手に入れたいのかを考えることで、自分に必要な貯蓄額が見えてくるはずです。