4. iDeCo加入者の掛け金、みんなは「いくらぐらい掛けてる?」
iDeCoの毎月の掛金額の分布は、各加入者種別の上限額の違いや、税制優遇を最大限活用しようとする加入者の行動によって、顕著な傾向の違いが出てきます。
iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況」にて令和7年3月末時点の「加入者別の掛金額の階層別分布図」をみてみましょう。
4.1 第1号被保険者(自営業者など)
平均掛金額2万7669円です。
第1号加入者は、掛金上限額が最も高い(月額6万8000円)区分であるため、掛金額の分布は二極化の傾向にあります。最も掛金の多いボリュームゾーンは少額の9000円未満の層で、約23.8%を占めています。
一方で、上限額に近い6万5000円以上の層は約19.9%となっています。
4.2 第2号被保険者(会社員・公務員など)
第2号加入者は、企業年金の有無によって掛金上限額が異なりますが、いずれの区分も上限額付近を拠出する人が半数前後を占めています。
- 企業年金未加入者(上限2万3000円)
2万円〜2万3000円の層が最も多く、58.3%と過半数を超えています。平均掛金額は1万6677円です。
- 企業年金加入者(上限1万2000円か2万円)
1万円〜1万4000円の層が49.5%とボリュームゾーンです。平均掛金額は1万3186円です。
- 共済組合員(上限1万2000円)
1万円〜1万4000円の層が53.3%と最多で、半数以上が上限額付近まで拠出しています。平均掛金額は1万3673円です。
4.3 第3号被保険者(専業主婦/夫)
平均掛金額は1万4408円ですが、上限額が月額2万3000円の第3号加入者も、上限額に近い水準を拠出する人が多い傾向です。ボリュームゾーンは上限額に近い2万円〜2万3000円の層が46.2%と、最も大きな割合を占めています。
4.4 第4号加入者(任意加入被保険者など)
平均掛金額は4万6375円と、全加入者種別の中で最高額で、第4号加入者は加入者数が少ないものの、全区分の中で上限額に近い額を拠出している割合が最も高いのが特徴です。
ボリュームゾーンは上限額に近い6万5000円〜6万8000円の層が48.8%と、約半数を占めています。
第2号、第3号、第4号加入者のほとんどが、それぞれの掛金上限額に近い金額を拠出することで、iDeCoの税制優遇を最大限活用しようとする強い傾向が明らかになりました。
これは、特に上限額が低い区分(第2号・第3号、上限1万2000円~2万3000円)において、節税メリットを意識した行動が明確に現れていると言えます。
